過去5年で1番人気が4連対では一見、穴党泣かせの傾向だが、それでも荒れると確信した理由は、有力馬にあまりにも死角が多いことにある。
まずはトーセンジョーダン。3連勝とは聞こえがいいが、相手のレベルがいずれも低い。新馬戦で先着を許した5頭にいたってはいまだ勝ち星なし。それに追い打ちをかけるように、直前でペリエ騎手(左眼負傷)から松岡騎手に乗りかわるアクシデント。過大評価は禁物だろう。
新馬戦がインパクト大だったブレイクランアウトも、その後は(4)(2)(3)着と人気を裏切り続けている。敗因となった「並ぶと気を抜く」「肝心なところで手前をかえない」といった子どもっぽさは、まだ完全に解消されていない。いくら武豊騎手の腕をもってしても、フルに能力を発揮できるかは疑問だ。
シェーンヴァルトは内田騎手へのバトンタッチがアダとなる可能性がある。とにかく、陣営が手におえないくらいの激しい気性の持ち主。どう見てもテン乗りがプラスに働くタイプではなく、制御不能に陥り、ジ・エンドとなる可能性も小さくない。
そこで浮上するのが◎マッハヴェロシティだ。
あの安藤勝騎手が手綱を放さなかった事実だけで買える要素はたっぷりなのだが、近3走の敗因がいずれも明確。新潟2歳Sは道悪、東スポ杯2歳Sでは直線で致命的な不利をこうむった。
とくに前走・ラジオNIKKEI杯2歳Sは「途中で追うのをやめようかと思ったぐらい馬場が悪かった」(安藤勝)というように、追い込み勢はほぼ全滅。それでも、しぶとく脚を伸ばし4着に持ってきたことに大きな価値がある。
この結果には名手・アンカツも、「他の馬がまったく伸びないなか、この馬だけ終いジリジリと伸びていたんだから、力がある」と感心しきり。ロジユニヴァース、リーチザクラウンの上位2頭は別格として、3着トゥリオンファーレとはわずかクビ差。当時のメンバーから一枚も二枚も落ちたここなら明らかに力上位だ。
前走とは一転、東京は開幕2週目のパワー不要な馬場コンディション。怒とうの追い込みで、万馬券を呼び込む。