関屋記念は◎シンボリグランが実力を発揮します。
前走の阪急杯は中団で、行きたがるのをグッとこらえて追走。直線はジリジリ伸びて0秒3差5着に追い込みました。勝負どころで瞬時に動く速さが他馬より遅かったように、年齢を重ねズブさが出てきた印象です。
それでも、この時の3着馬スズカフェニックスは後に高松宮記念を、2着馬エイシンドーバーは京王杯SCを制していますからね。一線級を相手にここまで戦えるのですから、グランのレベルの高さが分かると思います。
もっとも、一昨年はCBC賞を勝ち、それをきっかけに昨年の高松宮記念では1番人気にまで推された実力馬。しかし、当時は“十八番(おはこ)”の出遅れが癖が玉にキズ。精神的に落ち着きがなくカーッとなってすぐに掛かる面もあったので陣営も大変な苦労を重ねたようでした。
その努力が実を結び始めたのが昨秋。マイルCSの時には、いつもの暴走気味の追い切りもスムーズに走れるようになっていたし、何といっても課題のゲートをクリアできていました。レースに行ってのスムーズは今までとは比べ物にならないほど。能力は高いのに力を出し切れないもどかしさがようやく解消されました。
そのマイルCSは中団でしっかり折り合い徐々にペースアップ。ダイワメジャー、ダンスインザムードから0秒3差3着と力強く追い込みました。何かと前が詰まって不利を受けることが多かったグランですが、この時はとても上手に競馬をしていました。
また、スプリンターとしてそれまで定着していたイメージも一新。マイルの適性があることも確認できました。一瞬の脚を使うのが得意ではないので、忙しい競馬よりも今はこのくらい距離があった方がよさそう。初コースとなる新潟も長くいい脚を使えるので、かえって向いているのではないでしょうか。
休み明けも結果を出しているので問題ないし、牧場で乗り込んでの帰厩ですから、体はできています。仕上げは万全です。そして当日は雨予報。良馬場オンリーの馬が多い中、グランは渋っても大丈夫なタイプ。これだけでも強気に推せるでしょう。
鞍上の柴山騎手はグランをしっかり手の内に入れていますし、心強いパートナーの存在は頼もしい限り。オーシャンSで10頭以上ごぼう抜きした“鬼脚”が広い直線で再び末脚が爆発します!