DeNA 3-1 オリックス(1回戦)
※DeNAの1勝
▽4日 京セラドーム大阪 観衆 16,972人
「10年間、オリックス球団に支えていただいて今の自分がある。横浜で活躍することが恩返し。打席に入る時に拍手をいただき感動しました」
初めて京セラドーム大阪の“3塁側”でヒーローインタビューに立ったDeNAの伊藤光は、古巣オリックス球団とオリックスファンに対して感謝の意を口にした。
伊藤は昨年7月9日に高城俊人、白崎浩之との交換トレードで、赤間謙と共にオリックスからDeNAに移籍。このトレードはDeNAとオリックス双方のファンにショックを与えるほどの衝撃だった。久しぶりにかつての本拠地である京セラドームのグランドへ降りた伊藤は、1塁側で練習中のオリックス関係者、選手らに挨拶を済ませると、3塁側に戻りDeNAの練習へ。
「いつも1塁側だったので、3塁側は初めて。少し迷子になりました(笑)。ずっと初めてオリックスとやるのがモチベーションになってましたし、交流戦の最初がオリックスというのは運命を感じますね」
練習後、話を聞くと古巣との試合に対する並々ならぬ意気込みを感じた。その意味は試合後にわかることになる。
試合は、オリックス先発でパ・リーグの防御率1位ピッチャー山本由伸から、2回に伊藤が5号ソロホームランを叩き込み先制。4回には大和の2点タイムリーも飛び出し、8回にはパットンがオリックスのロメロに4号ソロホームランを打たれるも、最終回は守護神の山崎康晃が抑え、DeNAが交流戦の初戦を勝利で飾った。最終回までリードも冴え渡った伊藤を、ラミレス監督も「私も経験したことがあるが、長年やっていたチームから離れて、こうして戻ってきて活躍してくれて有難い。今年いちばんの素晴らしい活躍だった」と称賛した。
伊藤は「嬉しかったですね。(3塁側でヒーローインタビューを受けるのは)不思議な感じがしました。ただ、オリックスファンの方にはコメントすることなく移籍してしまったので、きょう来ていただいたオリックスファンの方にはヒーローで伝えられて、いいチャンスだったかなと思います」と話し、ヒーローインタビューという「場」を借りて、古巣への感謝の意を伝えたいという強い気持ちを持って臨んだ一戦だったようだ。
しかし、センチメンタルな気分はここまで。両チームともに首位と大きく離されているだけに、残り2戦も落とせない。
取材・文・写真 / どら増田