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忽然と消えた人々

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画像はイメージです。

 大勢の目前で、人一人が消えてしまったという報告は多数ある。それは、液体の蒸発と同様、分解された分子となって、その場を漂っているのだろうか。それとも、そのまま別の次元へと迷い込んでしまったのだろうか。

 1880年、アメリカ・テネシー州の牧場経営者ラング氏は、妻や友人達とお茶を楽しみながら歓談していた。暫くして牧場の見回りに出ようとドアを開けると、丁度、顔なじみの判事が訪ねて来たところだった。ラング氏が判事に向かって手を挙げ、数歩踏み出したその時、ラング氏の姿が跡形もなく消えてしまった。妻や友人、判事の目前でのことである。

 1956年、ペンシルバニア州で庭仕事の合間に休憩していた作業員たちの前を、真っ昼間から酔っ払いが一人通りかかった。作業員の一人が嫌味を言っても気に留めることなく過ぎ去った後、「何なんだ、やめてくれ!」という声が響いた。それは、屋内の人が窓から顔を出し外を窺うほど大きな声だったが、驚いた作業員たちが駆けつけて行っても、声の主であろう酔っ払いの姿はなかった。すると「何なんだ、やめてくれ!」今度は頭上で声が響いたかと思うと、その声は空高く吸い込まれるように消えてしまった。結局どこにも酔っ払いの姿はなく、プッツリ途絶えた靴跡だけが残されていた。

 同年、オクラホマ州で友人2人とインディアンごっこに熱中していた8歳になるジミーは、牧師の家の塀に上っていた。やがて待ち伏せしていた悪人インディアン役の友人が通りかかると、勢いよく塀から飛び下りた。が、ジミーは着地することなく、宙に消えてしまった。2人の友人と、牧師の家の窓から見物していた少女が見守る中でのことであった。ジミーの姿はどこにもなく、片方の靴だけが地面に転がっていた。

(七海かりん 山口敏太郎事務所)

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