テレビ朝日は10月より金曜日のプライムタイムを一新。長寿アニメである『ドラえもん』および『クレヨンしんちゃん』は土曜夕方の時間帯へ引っ越し、その枠に金曜21時から放送されていた『ザワつく!金曜日』が移動。空いた20時には水曜深夜に放送されている『マツコ&有吉 かりそめ天国』がゴールデンに昇格することが決定している。
『ミュージックステーション』の放送枠が変更となるのは1986年の放送開始以来、初めてのこと。ネットでは「金曜夜8時に慣れ親しんでしまっているので違和感が残る」「21時以降だと出演できくなる未成年アーティストもいるのでは」との動揺と心配の声が広がっている。
また、『ミュージックステーション』が移動してくる21時台は、日本テレビは映画番組『金曜ロードショー』、TBSは中居正広の『金曜のスマイルたちへ』が放送されている「視聴率激戦区」。ここに移動してきて、果たして勝機はあるのか…。
「ミュージックステーションのメインの視聴者層は音楽ファンと20〜30代の若い世代です。金スマは主婦層がターゲットの番組なので金スマと競合する可能性は低いと思いますが、金曜ロードショーは全世代に訴求力のある番組。かなり厳しい戦いになるのでは」(某放送作家)
また今回、『ミュージックステーション』が移動してきた理由には以下のような理由も考えられるという。
「ミュージックステーションは常時10%前後の視聴率を稼ぎ、嵐など人気アーティストが出演する際は、プラスして5ポイントほど上がる傾向にあります。テレ朝としても10%以上を確保できる番組は貴重なコンテンツなので手放したくないのでしょう。ですが、最近は以前より音楽番組そのものの需要が減った上、VTR企画も増え、果たして生放送である意味があるのか、といった内部の声もあります」(某週刊誌記者)
「司会のタモリさんの高齢やギャランティの高騰、生放送にかかる費用などを考えたら、放送打ち切りはないまでも、いつか完全収録への切り替えも念頭に置き、今回の枠移動が決まったのではないでしょうか」(同)
生放送のゴールデンタイム、という昭和時代のコンセプトをそのまま引き継いだ平成時代を代表する「名物音楽番組」は令和の時代をどう生き抜くことになるのか、どうやら瀬戸際に立たされているようだ。