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シルクロードS(GIII、京都芝1200メートル、8日) 本紙・谷口はスプリングソングを狙い撃ち

 傷みが目立ち始めたターフと微妙なハンデ差が勝負の明暗を分けそうな今年のシルクロードS。帯に短しタスキに長しの面々がそろったなか、春のスプリント王座を目指し、陣営が躍起になっているのがスプリングソングだ。

 「鶴留先生もあと数年で定年。今からダービー馬を出すのは難しい話だけど、この馬で最後にGIを獲らせてあげたいというスタッフの願いは、かなわない夢ではないと思っているんだ。それだけ高いスプリント能力を秘めているからね」
 熱っぽく語る山田助手は、かつて希代のジャジャ馬として知られるスイープトウショウを手なずけ、見事に宝塚記念馬に輝かせた辣腕。その腕利きの眼鏡にかなったスプリングソングにとって、ここは来たるべき高松宮記念に向けても確実に超えなくてはならないハードルだ。

 「跳びの大きい(サクラ)バクシンオー産駒で、まだトモが甘い分、ゴール前もチョイ甘くなる」。そう課題を挙げていた3歳時は、セントウルS3着、京阪杯3着、阪神C4着と歯がゆい競馬が続いた。しかし、思えば母のスプリングチケットが素質を開花させたのは古馬になってから。むしろ、完成途上の段階で古馬を相手に互角にわたり合った脚力は、今後の可能性の大きさを示しているといっても過言ではない。
 もちろん、昨年暮れの阪神Cの後は、春始動戦となるここを目標に、日々鍛錬。寸分の狂いなく仕上がった愛馬に、主戦の池添騎手も寒風を切りさく気迫のこもった表情でこう話す。
 「お母さんも古馬になって強くなったし、年が明けて年齢を1つ重ねたこの馬も一戦一戦、たくましくなってくれると信じている。今年はこの馬で短距離路線をと思っているし、ここで結果を出して本番にチャレンジしたい」
 暦の上では立春をすぎた。少しずつ聞こえ始めてきた春のGIの蹄音に乗せ、文字通りスプリングソングが、わが世の春をおう歌する!

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