「課題だったゲートは五分に出たけど、スタート直後に前が壁になった。その後も向正面から3角までブレーキを踏みっぱなし。最後はよく詰めてきたけどリズムを崩した分、弾けられなかった。まともならスリープとのワンツーだった」
橋口師は馬群の中でスムーズさを欠き、5着に終わったカノヤザクラの前走を振り返る。
1週前追いは坂路で800m53秒4。牝馬らしからぬ豪快なフットワークで駆け上がった。
「この中間はグリーンウッドに放牧に出していたけど、向こうでもずっと緩めずに乗っていた。1週前のケイコも良く、状態はいうことないね」
指揮官はこれまで通りの好気配にほおを緩ませる。今回は1000m戦はもちろん、直線競馬も初体験となる。しかし、未知の領域に対してトレーナーは自信をみなぎらせる。
「500kg近い馬格だから一度、勢いさえつけば最後まで押し切れると思う。夏に強い牝馬なのでどんなレースをしてくれるか、今から本当に楽しみだよ」
CBC賞の借りはこの“直千競馬”で。牡馬並みのパワーと持ち前のスピードで押し切る構えだ。