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原・落合両監督がオールスター戦で番外マッチ

 24日札幌ドーム、25日にマツダスタジアムで行われる今年のオールスター戦の舞台裏の最大の見所は、セ・リーグの監督を務める巨人・原辰徳監督VSコーチ役の中日・落合博満監督の暗闘だ。WBC日本代表に1人も選手を出さず、巨人の3連覇阻止のために全力を傾けている落合監督と、不快感を露わにしてきた原監督が同じベンチ内で繰り広げる内戦から目を離せない。

 「巨人を追いかけるのはウチしかいない」。こう豪語している中日・落合監督にとって、球宴はお祭りではない。追撃を現実にするために、巨人・原監督にプレッシャーをかける最高の舞台になる。中日からは選手間投票で新主砲のブランコ、荒木。原監督が選んだ新左右のエース・川井と吉見、さらに巨人・坂本と首位打者争いをしている井端が出場する。アライバコンビや、新主役トリオのブランコ、川井、吉見は晴れ舞台で大活躍して、原監督以下の巨人勢に改めて強敵のイメージを植え付ける格好のチャンスだ。
 「今季は圧倒されていた巨人に7月3日からのナゴヤドーム3連戦で初めて2勝1敗と勝ち越し、落合は自信を深めている。対照的に原の方は『相手はやはりヤクルトではなく、中日か』と嫌な思いをしている」。ネット裏の評論家たちはこう口をそろえている。
 「ファンのことを考えたら、巨人、ヤクルト、阪神がクライマックスシリーズに出た方がいい。でも、中日は出てくるだろうね。落合は本当にしぶといヤツだからね」とラジオ中継で口を滑らせた中日OBまでいる。

 巨人OBの1人はこう明かす。「落合はしたたかだよ。勤続疲労の隠せない抑えの岩瀬と、37歳の和田をしっかり休ませている。本来なら2人とも監督推薦で選ばれておかしくないのにね。原は落合にしてやられているよ」
 確かに巨人は登板過多で疲れの見える山口と、ケガにも弱音を吐かず、フル回転している35歳の主砲・小笠原は休ませたいところだが、ファン投票で選出されては、出ないわけにはいかない。すでにオールスターが始まる前から天敵同士の暗闘は口火が切られている。
 「去年のオールスターは、同じ落合嫌いの阪神・岡田がいたから、原は心強かった。共闘して、落合無視作戦を展開していたからね。ところが今年は事情が全く違う。阪神の真弓は落合と同じ昭和28年会のメンバーだからね。逆に、昭和28年生まれの落合・真弓連合で原が孤立する恐れがある」。球界OBは一変した楽屋裏を解説する。
 ダメ虎に逆戻りと酷評される阪神・真弓監督とすれば、どうせ優勝されるなら、ライバルの巨人でなく、中日の方がダメージが少ないと思うだろう。昨年13ゲーム差をひっくり返され、今年も巨人にリーグ3連覇をされては、阪神としては立つ瀬がない。真弓監督を味方に付けた落合監督が球宴で原イジメに手ぐすねを引く。その先にあるのは、もちろん巨人のリーグ3連覇阻止、2年ぶりの日本一奪回で公約の完全優勝だ。
 一昨年、リーグ2位ながらクライマックスシリーズで意表を突く投手起用を見せて巨人を叩き、球団史上53年ぶりの日本一を達成。「落合君の方が頭が良かったということだろう」と巨人・渡辺恒雄球団会長に言わしめたが、昨年は1位に1勝というアドバンテージの前に不発に終わった落合マジック。今季はペナントレースの大逆転で魔術復活をもくろんでいる。
 対する原監督もWBCの優勝で「最初は勝てるとは思わなかった。選手の起用法がうまかった」と渡辺会長にお褒めの言葉をもらっている。世界一監督という勲章を汚さないためにも、落合監督に負けるわけにはいかない。原VS落合の決着をつける第3ラウンドは死闘になる。

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