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日本人メジャーリーガーはどうなる? 「川上憲伸=ブレーブス」 「あと1年我慢すれば!?」オフの移籍に向けた実績作り

 昨季は「運に見放された1年」だった。
 14試合目の登板でやっと「1勝」を挙げた。不振ならともかく、それなりに抑えても勝てない状況が続いていた。契約最終年となる今季は『別の意味』で辛いシーズンになりそうだ。
 川上憲伸(35)はシーズン終了と当時に事実上の戦力外が通告され、2A降格となってしまった。したがって、今春のキャンプは『招待選手』として扱われている。
 昨年オフ、ブレーブスは川上の放出しようとしたのは間違いない。日本の某在京球団職員によれば「ブレーブス側から川上を引き取って欲しい」との国際電話が入ったという。「667万ドル(約5億6000万円)の2A選手」は、メジャー球団にとって不良債権以外の何物でもない。しかし後日、「川上がメジャーで再起したいと言ってきた。その意志を尊重し、パイレーツにトレードをお願いしてみる」と断りの連絡があった。今春のキャンプ、オープン戦は、ブレーブスの招待選手として参加している。今のところ、パイレーツなど先発投手が不足しているチームから、「川上が欲しい」というトレードの申し込みはないという(3月23日/現地時間)。ただ、川上が『日本帰還』という退路を断って、2011年シーズンに臨んだのは間違いない。

 川上が事実上の『戦力外』となった理由は、ブレーブスの先発投手陣のレベルが高さに尽きる。昨シーズン後半からオフの補強を見据えて動いていたため、リリーフ陣の量、質ともに充実している。そのなかに割って入るのは並大抵ではない。おそらく、2Aで投げながら他球団からお声が掛かるのを待つしかないのではないだろうか。
 ブレーブスの先発5人枠は、ティム・ハドソン、トミー・ハンソン、デレク・ロー、ピーター・モイラン、ジャイア・ジャージェンス。ジャージェンスは昨季『故障離脱』もしたが、若手の成長株、マイク・マイナー、ブランドン・ビーチーが控えている。7月以降は昨季前半戦を牽引したクリス・メドレンも帰ってくる。マイナー、ビーチーはセットアッパーもできる万能タイプだ。
 川上は昨季、9連敗中もクオリティー・スタートが6回あった(6回自責点3以下)。一般論として、勝ち星に恵まれなくてもここまで内容が良ければ、他球団が放っておかないだろう。高額年俸もネックではあるが、川上とその代理人が「契約を見直す意志」を表明すれば、どうにでもなるはずだ。
 川上は「自分はまだやれる」と思っているはず。自分を信じ、お声が掛かるのを待つのもいいが、格下の2A相手で好投しても虚しくなるだけだろう。川上は自らの立場に不平不満はもらしていないが、その胸中は複雑だ。(スポーツライター・飯山満)

 選手の方仮名表記はベースボール・マガジン社刊『月刊メジャー・リーグ』を参考にいたしました。

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