フェブラリーSの前哨戦「根岸S」は、11番人気のビッググラスがアッといわせた。前走で芝の重賞(京都金杯14着)を挟んでいたことが人気の盲点となったわけだが、それまでの好成績を考えれば、走られても不思議のない存在だった。いずれにしても、JCダートを勝ったアロンダイトを含め、上がり馬が活躍している今のダート路線は難解を極めている。
この2頭は、いずれもエルコンドルパサー産駒だ。昨年は菊花賞馬のソングオブウインド、先述したアロンダイトと、エルコンドルは最終世代から2頭のGI 馬を輩出した。今年に入っても、アイルラヴァゲインがサンライズSで圧勝しオープン入り。そして、根岸Sのビッググラスの快走と、その勢いはとどまるところを知らない。
そんな勢いに乗じ、今年最初のGIを制すのは、一昨年のラジオたんぱ杯2歳S(現ラジオNIKKEI杯2歳S)でエルコンドルパサーに初の重賞をプレゼントしたヴァーミリアンだ。
3歳時は芝で壁に当たった感はあったが、ダートに路線を切り替えると、エニフS、浦和記念を連勝し平安Sでも2着に好走。その後もフェブラリーS5着を挟んでダイオライト記念を圧勝と、ダート界の新星誕生を予感させる活躍を見せた。
東海Sは心房細動を発症しての13着と、敗因ははっきりしている。久々で挑んだJCダートで差のない4着の後、名古屋GPでは直線の短い名古屋で1秒3突き放す圧勝を演じており、GIの栄光に近づきつつある。
坂路での動きも目立ち、敵は前にいるアジュディミツオーのみ。今の状態なら、打倒ミツオーも夢ではない。亡き父に、そしてアロンダイトへの挑戦状を叩きつけるためにも落とせない一戦だ。