小学校6年生の時に、学芸会でお芝居を褒められたことがきっかけとなり、演技の道に目覚める。高校生の時には芸能事務所に合格し、ドラマや舞台のオファーが舞い込むが、在学中の芸能活動が禁止だったことにより活動を断念。両親の反対を受ける中、役者を目指し大学中退後に専門学校のミュージカル科を経て女優としてデビューするが、24歳の時に腰を痛めてしまう。そんな時、舞台関係者に以前演じていた少年役を絶賛され「年齢的に宝塚は無理だが、声優をしてみるのはどうか?」とアドバイスを受け、声優養成所・青二塾に通い始める。
卒業後には青二プロダクション所属し、1992年『幽☆遊☆白書』蔵馬役で声優デビューを果たす。しかし当時の声優界では女性が10代後半の男性を演じるというのは非常に珍しく、低い声を出せるように声帯の全てを使うべく、体を鍛えるなど試行錯誤をしたという。だがその苦労が身を結び、1994年には男性の様な魅力も持つ『美少女戦士セーラームーンS』天王はるか・セーラーウラヌス役に指名された。共演したルナ役の潘恵子によると、スタジオが揺れんばかりの迫力があり、「男の人の声?」と間違う程だったという。他にも、CDブック『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』緋村剣心役を演じるなど、“男性か女性かわからない”中性的なキャラクターを見事演じ切る女性声優として、新たなジャンルを確立した。
そして1995年には、今までのイメージを払拭するかのような少年役の『新世紀エヴァンゲリオン』碇シンジ役を演じ、役者として新たな魅力を披露した。しかし難解なキャラクターな故に、自身の解釈が正しいか自問自答する部分もあったという。だが13年後に公開された『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』の収録後では、改めて庵野秀明監督に同役を絶賛されて、自分は間違っていなかった事を涙を流して喜んだ。