この写真はアメリカはニューハンプシャー州のワシントン山付近で撮影されたものであり、湧き立つ積乱雲の間を飛行する黒い葉巻型UFOの姿が写っているものとなっており、2000年代に発見された後にオークションに出品され注目を集めたものだった。
この写真が発見される前は、こちらのUFO写真が世界最古のものであると考えられていた。1883年8月12日、メキシコのサカテカス天文台にて太陽の観測を行っていた人物が、多数の小物体が太陽の表面を横切っていくところを発見。そのうちの一つが静止したため、観測用のカメラでもって撮影したものがこの写真だという。この物体はメキシコ市やプエプラの天文台でも観測され、太陽の表面からはかなり距離があることが判明したので、この物体は地球に近い空間を飛んでいたものとみなされた。なお、この謎の飛行物体の群れは約2時間に渡って観測されたという。
なお、1883年といえば日本では明治16年である。
この写真については1886年にフランスの権威ある天文学専門誌「ラストロノミー」で発表された、とされているが、今となってはかなり古いものであるため、写真が撮影された背景に関してはだいぶ情報が錯綜しており、真偽不明な点も多くなっている。一部の天文学者からはレンズについた汚れや望遠鏡のすぐ近くを飛んでいた虫の群れだったのではないかとする説も出てきたが、確かめるすべはもうない。
果たして、この写真に写っていたものは何だったのだろうか。
文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所