調べによると、役員就任以来、同容疑者は東京・六本木の高級ホテル『グランドハイアット東京』に宿泊。日本では麻薬にあたるオキシコドン57錠を、6月8日に米国内からこのホテルに発送させていたことが判明し、逮捕されたのだ。
捜査関係者がこう語る。
「オキシコドンは、米国の医療現場では鎮静剤として使われている。ジュリー容疑者も『薬の輸入は膝の痛みを和らげるためで、麻薬を輸入したとは思っていない』と容疑を否認しているが、その手口が極めて悪質なのです。問題の国際宅急便は中身が『ネックレス』と記載され、実際、玩具のネックレスが入れられていたが、底の裏にはクスリがズラリと敷き詰められていた。カムフラージュしていたのは明らか。また、捜査が進むと彼女の病状は鎮痛剤を必要とする状態ではなかったことまで判明したのです」
要は、麻薬として使用する目的で輸入した可能性が極めて高いのだが、実はこの事件の摘発が契機となり、思わぬ騒動まで巻き起こっているのである。
夕刊紙の社会部記者が言う。
「それは、ジュリー容疑者が宿泊していた六本木界隈の飲食店に対する当局の監視の目です。この辺りには外国人バーが密集し、以前から店内でマリファナやコカイン、覚醒剤やLSD、今回摘発されたオキシコドン、違法ハーブなどが流通しているとの情報が流れていた。そのため、捜査当局は同容疑者が出入りしていなかったか重大関心を示しているのです」
六本木が“クスリのメッカ”であることは、よく知られた話だが、この記者によれば、こうした店が当局の関心を集めているのにはさらに理由があるという。
実は、六本木界隈の外国人バーには、ジュリー容疑者と同じく外国人セレブが多数出入りし、近年クスリの蔓延が指摘され続けていたのだ。
「六本木の外国人バーは不良外国人も群れているが、ジュリー容疑者のような一流企業の役員や在日大使、海外VIPなどの出入りも頻繁なのです。また、店内にはナイジェリアマフィアをはじめとするアフリカ系の麻薬密売人が跋扈し、セレブにクスリを売りつけたり、クスリを使った多数の窃盗事件も起こしている。実際、'09年には米国大使館が『飲み物に薬物を入れ、トリップした隙に財布やカバン、クレジットカードなどを持ち去る被害が急増している』と報告。在留米国人らに六本木の外国人バーには近づかないように警告したほどなのです」(前出・社会部記)