栗東の名門・池江郎厩舎が札幌巧者2頭出しでブエナビスタ退治に燃えている。
札幌開催となった函館記念を快勝したサクラオリオンは、引き続き得意のコースで重賞連勝を狙う。
当地は前走をはじめ、過去3戦して(1)(3)(1)着の好成績。中央場所とはまるで“別馬”だ。「洋芝が合うんだろうとは思うけど、札幌では本当によく走ってくれる。それに滞在の効果もあるんだろうね。こちらに来てからは落ち着きもあるし」と大久保助手は好調の要因を分析する。
中間の回復具合も順調だ。「前走後はいったん放牧に出した。(札幌で)2回使った疲れもあったからね。いいリフレッシュになったみたいだし、再入厩後も変わりなくいい状態ですよ」と太鼓判を押す。
函館記念は深い洋芝に負けないパワーと切れ味を見せ、上がり3F34秒9の強烈な末脚で差し切った。
「今回はGIIでメンバーは強くなるし、1頭強い馬もいる。でも、ウチのも走れる環境は整っているからね。力を出し切れればチャンスは十分あると思っているんだ」
夏は格よりも勢い。大好きな札幌で水を得たオリオンが再びアッといわせるシーンがあってもおかしくない。
一方、もう一頭の刺客ドリームサンデーも甲乙つけがたい札幌巧者だ。もちろん、陣営の期待も大きい。
こちらも前走後はリフレッシュ放牧へ。札幌に再入厩したのは先週になってからだが、「巴賞の時もそうだったし、もともとが仕上がり早のタイプ。調整に手間取らないので不安はない。いい状態で臨めるでしょう」と出走態勢は万全だ。
札幌での近2走は、巴賞2着→函館記念5着と好走している。「小回りコース、洋芝がともに合うってこともあるけど、この馬も札幌はよく走る。今は本当に充実しているしね」。ただでさえ見栄えのする青毛の馬体は、清涼な北の大地でより一層の輝きを増している。
「あの馬(ブエナビスタ)は追い込み一辺倒だけど、ウチのは2頭ともスッと好位を取れるからね。小回りコースでなら、2頭とも勝機はあるはず」
あわよくば…いやいや大久保助手は牝馬2冠馬から本気で主役の座を奪い取るつもりだ。