前夜からの雨で芝は稍重。勝ち時計の1分36秒1は平凡だったが、そのレースぶりは異彩を放っていた。
スタートでモタつき、1頭になるとフラフラ。安藤勝騎手がわざと馬群に突っ込ませて何とか中団をキープ。そこから、ほぼ完ぺきに乗った武豊騎手鞍上のサムワントゥラブを猛追し、ゴール寸前でクビ差差し切った。
「追い出してからの反応が良かった。まだ体に余裕があるし、この走りっぷりならダートもいいぞ」と苦難を乗り越えての“Vゴール”に松田博師はご機嫌だ。
パドックではのんびり歩き、返し馬もゆったり。484kgの馬体が絞れれば、どのぐらい走るのか…将来への期待を持たせる勝ちっぷりだった。