その中の人気コーナー「美食のプロが全部食べてランキング!」が、今回のゴールデン特番でも大々的にフィーチャーされた。この企画は、一流の料理人、料理研究家などで結成される「美食アカデミー」が、ファミレスなどの庶民の味を検証し、店内の各メニューに格付けするのがコンセプト。
そして今回のゴールデン特番の晴れ舞台に選ばれたお店が、安くてウマいハンバーグチェーン店『びっくりドンキー』。“びくドン”リピーターの方ならお馴染みの「チーズバーグ」「カリーバーグ」「パインバーグ」などの人気メニューたちが、美食アカデミーの面々に厳しくダメ出しされて次々撃沈していく中、栄えあるトップに選ばれたのが、キムチとマヨネーズをトッピングした「ペチュキムチバーグ」。手厳しい美食アカデミー全員から、なんと「10点満点」の評価を得て、「プロが選ぶ一番おいしいハンバーグ」の栄誉に輝いた。
その翌日、さっそく記者は、勤務先そばの『びっくりドンキー』でディナーとシャレこむことにした。ゴールデン放送の翌日だから行列ができてやしないか…と思いきや、店内は何事もなかったかのように、十分に空席アリ。アルバイトのウェイトレスにすぐに通され、いささか拍子抜けした(月曜日ということもあるのかもしれないが)。
通された席を見ると、さっそく「ペチュキムチバーグ」のページが開かれた状態で、メニューがテーブル上に置かれている。仕事が早いな…と感心しながら、ペチュキムチが大プッシュされたメニューを手に取ってみたら、軽い衝撃を受けた。ペチュキムチが載っているメニューは、通常のメニュー表ではなく、「期間限定」のほうではないか。ペチュキムチ強化週間(?)にドンピシャリに合わせたタイミングで、TVで「ペチュキムチが一番」と紹介って、いくらなんでもでき過ぎなんじゃないの。
いやいや、意地悪い見方をしてはいけない。ひょっとしたらペチュキムチバーグが本当に、プロの美食家たちの舌に叶う絶品なのかもしれないのだから…。記者はここで、当然ペチュキムチをオーダー。
待つこと10分弱、「ジュ〜」とウマそうな音を立てて、件のペチュキムチバーグがワゴンに乗ってやって来た。ハンバーグの上にマヨネーズたっぷりの、“びくドン”ならではのジャンクな盛りつけに、さらにそのまた上にキムチをトッピング。その上に擂りおろしのオニオンが入った醤油ベースのソースをぶっかけると、バチバチという音とともに湯気があがり、食欲をそそる肉の香りが一面に漂う。
一口頬ばってみると、やっぱりウマい。ジャンクフード好きの記者は、キムチもマヨネーズも、どちらも大好物である。好物同士が混ざり合ってるのだから、そりゃウマいに決まってるのだ。
しかし。しかし、だ。このジャンク極まる濃厚なハンバーグが本当に、プロの美食家たちの高尚な舌と相性のよい味なのだろうか? 記者の主観で恐縮なのだが、どう考えてもこのハンバーグは、一流のグルメを喜ばす逸品ではなく、部活帰りの中高生男子にふさわしい、愛すべき大味な“めし”である。
記者は別にここで、番組のランキングが本当にガチなのか否かを検証するつもりは毛頭ない。ただ、
「一流の美食家さんたちが、期間限定でプッシュ中のコテコテハンバーグに、ドンピシャのタイミングで10点満点かぁ…」
という、妙なモヤモヤだけは残ったのである。
(※注:ペチュキムチバーグは本当に美味しいです。ジャンクフード好きならハマること間違いナシなのは保証いたします!)