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オリックス榊原翼、守護神の乱調で初勝利を逃す…指揮官「勝ちをつけてあげたかった」

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榊原翼

オリックス 5-5 楽天(3回戦)
※規定により延長12回引き分け
※オリックスの2勝1分け
▽7日 京セラドーム大阪 観衆 23,396人

 「全てを切り替えて、一番は気持ちなんで…」

 登板前日までオリックスの高卒3年目、榊原翼は「気持ち」という言葉を自らに言い聞かせるように毎日口にしていた。今シーズン初登板となった日本ハムとの開幕3連戦で3戦目の開幕が決まっていたが、札幌入りした時から「緊張していました」という。もともと、後先を考えずに投げた方が良い結果をもたらすタイプなのだが、「考えないようにしようと思うことも考えてしまった」結果、4回2/3、110球、5安打、5四死球、3失点というピリッとしない内容だった。

 「きょうは野手の方に助けられました」

 試合後、本人が話していたように、貧打が続いていた榊原の気持ちを何とか楽にしてあげようと、「チームの起爆剤になれたら」とカード頭に昇格したばかりの西野真弘がライトスタンドに運び先制。西野がベンチに戻ってくるとメジャーではお馴染みのサイレントトリートメントで西野を弄り、いいムードを作っていく。苦しいピッチングが続いた榊原だが、キャッチャーの若月健矢や、西野の叱咤激励もあり0点で乗り切ると、4回には若月のセーフティースクイズ、後藤駿太の2点タイムリーで5点差に。5回、榊原は浅村栄斗に犠牲フライを打たれ1失点するが、6回を96球、3安打、5四球、1失点で勝利投手の権利を得たまま勝利の方程式に託して降板。

 「初回は前回の反省を活かして、大事に入ることが出来ました。ただ、四球が多く、リズムの悪い投球になってしまった事は反省点だと思います。4回以降、コーチにアドバイスを頂きながら、自分の投球が出来る様になっていったと思います。野手の方々に助けて頂きながら、なんとか最少失点で抑えることが出来た所は良かったです」

 降板後、このように話した榊原は、ベンチから大きな声を出しながらチームを応援。オリックスは7回の吉田一将が1失点するも、“8回の男の子”澤田圭佑は無失点に抑え、3点差のセーブシチュエーションで“守護神”増井浩俊が登場。ファンも3連勝を確信していたが、この日の増井は開幕2戦目以来の大乱調で、楽天打線に一気に捕まり、まさかまさかの同点に追いつかれてしまう。増井は何とか同点止まりでこの回のマウンドを降りると、榊原に「ゴメン」とひと言謝罪をして、ベンチ裏へ。試合は延長戦に入ったが、3連敗阻止に向けてフル稼働した楽天のリリーフ陣を打ち崩せず、試合は延長12回引き分けで終了。オリックスは勝ちゲームを落とす結果になってしまった。

 「榊原に勝ちをつけてさせてあげたかった。でも、ウチの勝ちパターンで行ったので、増井を責めるわけにはいかない。でも、引き分けはもったいない。(延長戦になり、キャッチャーが一軍公式戦プロ初マスクの銀次になって)西浦のところで仕掛けたんですけどね。その後もランナーが出たら走らせるつもりだった。勝てなかったのは悔しい」

 西村徳文監督は信頼して託している「勝ちパターン」で勝てなかったのは仕方ないとしながらも、最終的に5点差の試合を追いつかれてしまった結果については悔しさを滲ませていた。オリックスは9日からロッテ、西武との関東6連戦に臨む。

取材・文 / どら増田
写真 / 垪和さえ

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