今季で31歳となる斎藤はオープン戦から好調。特に早実以来の甲子園球場で先発した3月9日の阪神戦では、変化球とストレートをコーナーに投げ分け、2回を被安打ゼロ、3奪三振と好投。その結果、2年ぶりとなる開幕1軍の切符を掴んだ。
3月29日の試合でも中継ぎ投手として8回のマウンドに上がり、1回1被安打無失点。「ついにハンカチ王子が覚醒したか」とファンを期待させた。その余勢を買い、4日の先発マウンドに上がった斎藤だが、結果は散々。初回先頭の田中和基にヒットを許すと盗塁を許し、2番の早大の後輩の茂木栄五郎にタイムリーを許してしまう。まさに「あっという間」の失点だった。
それでも最小失点で踏ん張ることができれば、先発投手としては合格点だったが、4番の島内にフォアボールを許すと、2アウト後、ワイルドピッチで進塁を許し、銀次にタイムリーを浴び、2失点。計3点を失った。
さらに、2回にも斎藤はツーアウトから四球を出し、交代を告げられる。日本ハムの木田優夫投手コーチは「打者一巡目処で交代するのは予定通り」と説明したが、期待値を下回る投球だったことは間違いない。
斎藤は例年春季キャンプ前に「今年こそ」と意気込み、オープン戦でまずまずの成績を残し期待させるが、シーズンに入り先発するも炎上して降板、その後二軍暮らしというルーティンを続けている。今年はオープン戦の投球内容がすこぶる良かっただけに期待する人も多かったが、蓋を開けてみれば「今年も同じか」と嘆きたくなる結果だった。
そんな斎藤のピッチングに、ファンからは「やっぱりダメだった」「もう復活はないね」「さっさと戦力外にしろよ」「もう見たくない」「アマチュア野球でも通用しない」と厳しい声が噴出している状態だ。
「斎藤の球威ではコントロールが命ですが、2イニングで2四球では話にならない。恐らく久しぶりの1軍の先発ということで力んだのでしょうが、年齢的に冷静になって球をコントロールし相手を打ち取らねばならない立場。言い訳になりませんよ。
いまだに主だった成績を残していないにもかかわらず、態度や言動だけはスター気取りですから、手に負えません。異常に贔屓している栗山秀樹監督ですから、もう一度くらいはチャンスがあるでしょうが、打たれて負けるなら吉田輝星や柿木蓮ら将来性のある若手のほうがマシでしょう。
今や彼を欲しがる他球団はほとんどありません。あるとしても、おそらく金銭になると思いますが」(野球ライター)
オープン戦で築いた信頼を僅か1日で失った斎藤佑樹。いよいよ立場が危うくなっただけに、冷や汗をハンカチで拭いているかもしれない。
文・櫻井哲夫