距離短縮で未完の大器キンシャサノキセキが本領を発揮する。
南半球産で遅生まれのハンデを背負いながらも、デビューから華々しく2連勝を飾り、3歳春のNHKマイルCで僅差の3着。古馬相手になった秋のマイルCSでも0秒5差5着に食い込むなど、素質に恵まれているものの、その激しい闘争本能が災いし、ここまで出世を妨げてきた。
前走の阪急杯(5着)でも「後方から控える競馬をするつもりだったけど、引っ掛かってしまって…。その分、外を回らざるを得なくなって伸び切れなかった」と堀師がいうように、相手との力関係というより、自分自身との戦いに敗れた格好だ。
中間はザ石で2日休ませるアクシデントがあったが、師は「ダメージはなく、(ザ石で)1週前追いが金曜になった影響もまったくない」と強調。初めての中京についても、「ペースが速くなる小回りの千二はピッタリだと思う。外差しが決まりやすい最終週の馬場で、展開も向きそう。」ととらえている。
鞍上は全国リーディング3位の岩田騎手にスイッチ。すでに今年も重賞3勝を挙げており、勝負強さは健在だ。剛と柔が兼ね備わった手綱さばきで、栄冠を勝ち取る。
【最終追いVTR】坂路で単走で追われ、800m48秒台の好時計。元来、ケイコ駆けするとはいえ、フットワークは実に素軽く、気持ち良さそうに走っていた。状態はパーフェクトに近い。