受賞したのは「新元号を当てるまで脱出できない生活」。新元号の「令和」が発表される前に、若手芸人のななまがり(初瀬悠太、森下直人)が、新元号を当てるまで部屋から出ることができない……という企画である。受賞理由は「単に芸人を過酷な状況に追い詰めるのではなく、生活用品やヒントをポイントに応じて購入できるようにしたり、そのヒントのさじ加減が絶妙。それを解こうとする意思と力を持った芸人だからこそ正解のときの感動が大きかった。やりたい放題に見えてロジカルに考え抜かれた演出が効いていた」とのこと。
実は、同番組が受賞したのは「徳川慶喜を生で見た事がある人 まだギリこの世にいる説」、「先生のモノマネ プロがやったら死ぬほど子供にウケる説」に続いて3回目。時には炎上する番組が、ここまで評価されているのは珍しいと言える。
「『ギャラクシー賞』は言わば、世間の評価をひっくり返すほど影響力のある賞です。これで番組も攻めた企画がやりやすくなったのでは?」(エンタメライター)
ドキュメント番組やドラマが選出されることが多い同賞で、バラエティー番組が時に賞を獲得することがある。『クレイジージャーニー』(TBS系)、『Youは何しに日本へ?』(テレビ東京系)、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)など、世界に向けられていたり、コンセプト自体に興味がそそられる番組が受賞するのは「まだわかる」といった声があるだろう。
しかし、深夜のノリをそのままに、24時間テレビの裏のゴールデンで放送した回が受賞した『ゴッドタン』(テレビ東京系)や、ナインティナイン・矢部浩之がナイナイのラジオ『オールナイトニッポン』を卒業するということで、様々な新相方を呼び、最終的にラジオで真裏の番組をやっているおぎやはぎまで登場した回などで、放送終了までに4度受賞した経験がある『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)など、ゴリゴリのバラエティー番組が受賞することだってある。
「世の中にいるテレビ好きがこの賞に注目している理由として、埋もれてしまいそうな面白い作品も必ず評価してくれるというところにあります。たとえ視聴率が悪くても、審査員の心を打てば受賞することだってありますからね。ビッグネームはもちろん、深夜でネットに話題になった作品まで網羅しているので、評価も高いのです」(同上)
「テレビがつまらなくなった」と言われて久しいが、本当にそうなのだろうか? 面白い番組には更なる評価がされることを願いたい。