耳寄りな話が盛りだくさんだが、まず目下3連勝中(500万→鎌ケ谷特別→府中S)と好調の秘密について聞いた。「もともとデビューした時から、オープンまでいける手応えは感じていました」と前置きしたうえで、出世が遅れた原因を次のように打ち明ける。「精神的に弱かったんです。だから、普段は周りを気にしてうるさかったし、カイ食いも悪かった」
ところが、今は別馬のごとしだ。「とにかく精神面の成長が一番。落ち着きが出て、物事に動じることがなくなりました」と愛馬の成長に目を細める。「本格化した今なら、不安より楽しみの方が大きい。重賞といっても牝馬限定だし、ハンデ52キロもアドバンテージになるよ」と当然、初重賞制覇にも力が入っている。
目標レースだけに、もちろん仕上げに抜かりはない。「坂路で2週連続(800メートル)49秒台をマークしているし、きょうも予定より速くなった(同計不→37秒0→12秒4)けど、全然無理していなかった」と太鼓判を押す。
調教助手から、調教厩務員に職変して5年目。川崎さんは、千載一遇のチャンスを目の前にして、いやが上にもボルテージが上がっている。
「厩舎は200勝にリーチをかけてから足踏みが続いているけど、この馬で達成できたら最高! 輸送さえ無事にクリアすればチャンスは十分あるので、応援してください」