関西に単身赴任している友人から誘われ、W杯で優勝した「なでしこジャパン」の主力メンバーたちが所属するINAC神戸−ジェフ千葉の「なでしこリーグ」の試合を神戸・ホームズスタジアム神戸で観戦した。
1枚1000円のチケットはコンビニに行ったらあっさり買えたので「どうせ、そんなに人いないだろ」と思ったが、試合開始1時間前の午後2時にスタジアムに到着すると、そこらじゅう人、人、人。テレビの取材クルーはファンに話を聞こうと走り回り、当日券の販売所、ファンクラブの申し込みブース、グッズ売り場には長蛇の列が。しかし、特にメニューの値段が高いわけではないのに、売店はガラガラだった。
全席自由だが、スタジアムの中に入るとJEFのゴール裏のスタンド以外はぎっしり。ゆったり観戦したかったので、JEFのゴール裏に座った。
試合前のセレモニーを終え、いよいよキックオフ。INACは澤穂希選手、大野忍選手ら代表メンバー7人のうち6人が先発出場。JEFでただ1人の代表で、ルックスではなでしこの3トップの1人と言われている丸山桂里奈選手はスタメン落ち。その理由はチームの集合時間に遅刻し監督がスタメンから外したことを翌日の報道で知った。
試合開始直後からINACが攻めまくるが、澤ら代表選手は疲れのせいか動きが重く、9月開催の五輪アジア最終予選に韓国代表として出場するチ・ソヨンのキレのある動きが目立つ。JEFの守備陣は奮闘しているが、DF・細川元代選手が「スラムダンク」のゴリみたいな髪型で、友人は「気合い入ってるな〜」と関心していた。なでしこジャパンに入ったら人気が出そうだ。
スタンドからの撮影はあまり制限されていないようで、なでしこの選手を撮ろうとカメラを構えている人が目立ったが、中にはバズーカ砲のような望遠レンズを構える人もいたが、警備員から「望遠はやめて下さい」と注意を受けていた。
テレビでW杯の試合を見ていると、動きが速くてとても迫力があったが、この日の試合はとってもスローテンポ。おまけに、自分も含め、W杯でなでしこを知って見に来た“一見さん”が多かったようで、ゴール裏に陣取る両チームのサポーター以外の盛り上がりはいまひとつ。多くの観客はうちわを片手にのんびりと試合を観戦。澤選手がボールを持った時や両チームがゴールに迫った時ぐらいしか歓声が巻き起こらず。静かなせいか、自分が座った席の上にある空調設備の音がやたらと気になってしまった。
前半・後半に大野選手が1点ずつ決め、INACが2点リードし試合の行方が大方決まると、試合に飽きた小さな子供たちはスタンドを走り回り、帰り支度を始める観客もいた。
この日の入場者は1万7812人で日本女子サッカー史上最高だったが、この試合を見て「また来たい」と思った観客は何人いただろうか?
(なでしこ太郎)