酒井容疑者は10日午前6時半に起床。土砂降りの中、9時前にワゴン車に乗せられ多くの報道陣のフラッシュを浴び、東京・湾岸署から送検された。
警視庁組織犯罪対策5課と渋谷署は酒井容疑者の自宅への家宅捜索で、吸引用とみられるストロー42本を押収していたことが判明。付着物のDNA型が酒井容疑者の型と一致。酒井容疑者自身も「昨年夏、夫に覚せい剤を勧められて以降、数回吸った」と使用は認めており、別居していた夫の高相容疑者も「会うたびにやせていった」と覚せい剤の常用をにおわせる供述をしている。
ところが、酒井容疑者が起訴猶予処分になる可能性も出てきたという。自宅から見つかった覚せい剤が微量で起訴できないというのだ。
酒井容疑者の逮捕容疑は東京・南青山の自宅マンションで化粧ポーチの中のアルミ箔(はく)に包まれた覚せい剤0.008グラムを所持した疑い。覚せい剤1回の平均使用量が約0.03グラムとされ、起訴される場合は、通常、それ以上の分量を所持している。しかし今回は微量で、薬物事件を多く手掛ける弁護士は「通常なら起訴猶予になるケース」と指摘。しかも6日間行方不明だった酒井容疑者からは尿検査で覚せい剤反応は出ていない。
「覚せい剤が微量の事件は検事が起訴したがらない。今回も難しいかもしれない」(警視庁の捜査幹部)
それにしても、もし立件できなければ、酒井容疑者の逃げ方はうますぎはしないか。
「指名手配になると執行猶予がつかなくなるので、そのギリギリのあたりで出頭。さらに尿検査で覚せい剤反応が出なくなるのに必要な期間、姿を消していたとみられる」(週刊誌記者)
となると、気になるのが、背後に協力者がいるのではないかという点。
「やはり高相容疑者が逮捕された時、酒井容疑者と一緒に駆け付けたとされる“社長”と呼ばれる男性が気になります。これまで彼が何者なのか、明らかになっていません。一説には酒井容疑者の出入りしていたクラブ関係者、あるいは育ての母と親しい不動産会社社長と言われています。この男たちが鍵を握っていそうです」(同)
東京地裁はこの日、19日までの10日間拘置延長を認めている。今後の展開が注目される。