当日は台風4号が西日本各地に猛威を振るいながら東へバク進中という最悪の気象状況。丸太を組んでビニールシートをかぶせただけの芝居小屋が瞬間最大風速40mに耐えられるのかしら…なんて心配をしていたのですが、夕方には南東の洋上へ去ったおかげで杞憂に終わりました。雨上がりの空気はヒンヤリとして心地よく、まさに絶好のコンディション。小屋の中は蒸し暑いので大助かりです。
例年なら大勢の人出で賑わう「みたままつり」ですが、台風の影響か今夜はそれほどでもありません。大鳥居をくぐって本殿方向へ進むと、右手の奥に…ありました、オドロオドロしさ全開の見世物小屋が!中に入ると“蛇娘”小雪太夫が、生きた蛇にガブリとかぶりつく、世にも怖ろしい「蛇の躍り食い」ショウの真っ最中。頭を食いちぎって血がバッと飛び散り、腸(はらわた)がビローンと飛び出すと、まさに場内は阿鼻叫喚(あびきょうかん)の地獄絵図。さらに、頭の取れた胴体から生血をゴクゴク飲み干すと、観客はア然呆然。そして最後に、あろうことか手にした蛇を客席にポーン。「ギャーッ!」と悲鳴を上げながら逃げまどう観客たち。でも、それはオモチャでしたというオチに場内は爆笑の渦。
さて、お次はデリシャスウィートスのコケティッシュでスットンキョウなステージ=写真。場内の雰囲気は戦前の浅草っぽいのに、なぜか歌と踊りは60年代風というアンビバレントぶりに頭がクラクラです。MCでおちゃめな過激派の佐藤梟が名物“風船飲み”を披露すると観客は目を白黒。そして、団長でオッチョコ情熱派のチャーマァ●ハイヂと、はつらつロマン派のピンポンちゃんの2人がニューヨーク直送(?)の大技「箱抜けマジック」を成功させると、場内はヤンヤの喝采。まさに、昔ながらの見世物小屋ならではのテイストを堪能した一夜でした。