連中は取り締まりを警戒してか、やたら周囲をキョロキョロ。こっそり渡されたメモには、中継地点となる電話ボックスまでの案内図と携帯電話番号が記されていた。徒歩約5分かけてボックスから電話すると、丁寧な口調の男が「近くのコインパーキングで待っていてください。中年の男が迎えにいきますので」と答えた。
迎えにきたのは70歳近いおじいさん。密売のアジトらしきマンションの一室には先客が3人おり、数十冊にファイリングされた裏DVDリストに目を血走らせていた。店長らしき男にあれこれ質問しすぎて「刑事さんじゃないですよね?」と疑われた。1枚2000円。中身を確認すると“裏モノ”だった。
警視庁は昨年、こうした業者の摘発に力を入れた。あの連中も商売を替えたのだろうか。キャッチ役の男がいた一角には、万世橋署などによる「許可なき路上販売はやめなさい。違法な行為は逮捕する!」と書いた立て看板があった。