僕は恋人だけでなく女友達すらいません。またフリーターで収入も少ないため、夜のお店に行くという選択肢はないですから、日々の生活の中で女性と楽しい時間を過ごすということは皆無です。
そんな僕の休みの日の過ごし方といえば、古本屋巡りぐらいでしょうか。僕が古本屋でいつも購入しているのは、小説や少年漫画よりも、少女漫画や大人のレディコミと呼ばれるものばかりです。なぜなら過去に女性が所有していたであろう本を買って、前の持ち主を想像するのが好きなのです。物には念が宿るといいますから、新品の本よりも、古本の方がやっぱり好きですね。
僕はまず少女漫画などを購入したら、適当にページをペラペラとめくって、そこから頬を伝う風圧を思いっきり鼻から吸い込みます。その瞬間はきっと富士山の頂上で深呼吸をするよりも気持ちがいい気がします。それとレディコミなんかも、前の所有者が深い妄想の手助けに所有していたのではないかと考えるとドキドキするんです。通常、本に汚れがあると皆さんは嫌がるかと思いますが僕は逆で、前の所有者の生きた証が刻まれている気がして嬉しいものですよ。他にも男性アイドルの写真集なども同じ理由で買っちゃいますね。
また、そういった古本を自室の本棚へ大量に飾ると、まるで女性の部屋に住んでいるかのような幸福感に包まれます。あとたまに、一部の本は「女性から借りているんだ!」と勝手に妄想しながら部屋に置いておくのも楽しいです。
皆さんも休みの日は、古本屋巡りをして、過去に異性が所有していたと思われる本を購入してみてはいかがでしょうか。いつもとは違うドキドキした生活が送れるはずです。
(取材/構成・篠田エレナ)
写真・brewbooks