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ダルビッシュのメジャー行きに暗雲

 今オフにポスティング(入札制度)でメジャー行き情報が流れている日本ハム・ダルビッシュに思わぬ難題が持ち上がっている。リーグ連覇、4年ぶりの日本一奪回を目指しているチームが泥沼にあえいでいるからだ。まだ4月末とはいうものの、このまま低迷が続けば、ダルビッシュのメジャー挑戦は先送りされる可能性もある。

 今季でプロ入り6年目のダルビッシュ。FAでメジャー挑戦するには9年間必要なだけに、球団がポスティングを認めなければ、今オフのメジャー入りはあり得ない。それなのに、今年になって突然、ダルビッシュのメジャー入り情報が頻繁に流れ出したのにワケがある。
 昨年のワールド・クラシック・ベースボール(WBC)で連覇した日本代表の抑え役として活躍。これまで「メジャーへは絶対に行かない。メジャーへ行くくらいなら、野球を辞める」と事あるごとに宣言していたダルビッシュ本人がひょう変した。メジャーリーガと対決して、実力的に自信を持ったことと、野球場の素晴らしさなどメジャーリーグの環境の良さに魅了されたのだ。
 日本ハム側にも、渡りに船の条件が整ってきた。今季のダルビッシュの年俸は3億5000万円で、支払いきれる上限になっている。主砲の小笠原が巨人へFA移籍した時も引き留めなかったように、日本ハムは健全経営をモットーにしており、たとえ看板選手でも限度額を超えた場合、慰留しない方針だ。

 ただし、ダルビッシュのケースはポスティングなだけに、ファンを納得させる大義名分が求められる。それがリーグ連覇であり、4年ぶりの日本一奪回だ。「WBCの日本代表の連覇にも貢献したし、チームにも大きな功績を残した。日本球界を卒業して、メジャー挑戦するダルビッシュを快く送り出してあげたい」。こういう大義名分が出来れば、球団側はファンに対し、釈明できる。しかも、今が旬のダルビッシュには「松坂がポスティングでレッドソックス入りした時の落札金60億円を上回る値が付くのは間違いない」とメジャーリーグ関係者が太鼓判を押している。球団にとっては、のどから手が出るほど欲しいダルビッシュ・マネーだろう。
 が、それもリーグ連覇、4年ぶりの日本一奪回が実現してこその円満退団だ。現状のような泥沼から脱出できず、リーグ連覇どころか、Bクラスに転落するような惨敗を喫すれば、ダルビッシュ、球団側共に身動きができなくなってしまう。ファンに対する大義名分が消えてしまうからだ。ダルビッシュに「ファンを見捨てるのか」という非難の声があがり、球団には「お金のためにダルビッシュを売るのか」と大バッシングが起こるのは避けられない。

 5試合連続二ケタ奪三振を記録、3勝1敗の成績も決して悪くはないが、防御率が2・6台と、らしさの今ひとつないダルビッシュが、今後、しゃかりきりになって、チームを急浮上させる。そして、リーグ連覇、4年ぶりの日本一奪回に成功する。それしか今オフにダルビッシュのメジャー挑戦を実現させる道はないだろう。

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