美貴亭は「こだわりの国産ホルモンをリーズナブルな価格でお腹いっぱいに」をキャッチコピーとする。メニューは「ミキティールぞうすい」「ロマンティック浮かれモーモーセット」など藤本らしさが反映されている。藤本の焼き肉好きはデビュー時から有名で、キャラクターとコンセプトがマッチする店である。美貴亭の建物には「メガネ・パリミキ青葉台店」もあり、ミキ尽くしの様相を呈している。
しかも店名が振るっている。藤本のニックネームはミキティである。その後、ミキティの愛称はフィギュアスケートの安藤美姫選手に奪われた形になったが、夫の庄司智春(品川庄司)が「ミキティ〜」と絶叫することで、再び藤本の愛称に戻ってきた。
一方でインターネット掲示板などでは藤本の高飛車そうな性格から「美貴帝」と記されていた。ミキティと言えば安藤選手を想起した時代も、「美貴帝」の表記が元祖ミキティの存在証明になっていた。店名の美貴亭はミキティよりも美貴帝がイメージに近い。
その性格からヲタ嫌いのイメージがある藤本であるが、それがヲタには魅力である。3枚目のシングル『ロマンティック 浮かれモード』がマワリストらのヲタ芸を一躍有名にし、「美貴様美貴様お仕置きキボンヌ」という掛け声も生まれた。美貴帝を想起させる店名の採用もヲタとのツンデレ的な関係を示している。
一方で事業主体としての美貴亭には謎も多い。2月23日時点で大抵の企業ウェブサイトに存在する「会社概要」のページがなく、事業主体が不明である。サイトのフッターにある著作権表示では「J.P ROOM Inc & Yakiniku MIKITEI」となっている。ジェイピィールームは藤本の所属事務所であり、事務所公認の事業になる。著作権者にYakiniku MIKITEIを併記していることは焼肉美貴亭という事業主体が存在することになるが、その実体は明らかにされていない。
焼肉美貴亭のドメインが日本国内で登記された企業でなければ取得できない「co.jp」ではなく、取得しやすい「com」である点も事業主体への疑問を生じさせる。また、美貴亭は毎年2月26日を大感謝祭とし、全メニュー99%オフとする。常識的には事業が成り立たない値段である。ここからはエイプリールフールには早いが、壮大なネタではないかとの疑念もある。2月26日のグランドオープンに注目である。
(林田力)