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続・有名人の死

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画像はイメージです。

 昨年末に「2016年は例年になく多くの有名人が死んだ」という噂がソーシャルネットなどで流布し、英国のEU離脱やトランプ候補の当選などとともに「ひとつの時代の終焉と先行き不透明な時代の到来」を象徴する出来事と受け止められた。とは言え、当然ながらそれぞれの死に関連があるはずもなく、また列挙される著名人も欧米の人々に偏っており、マスメディアは偶然であると結論付ける記事を配信した。

 ところが、そういった記事が配信された直後に作家のリチャード・アダムスや、女優のキャリー・フィッシャーが相次いで死去し、偶然と片付ける記事はかえって火に油を注ぐ格好になってしまったのだ。さらに、現代占星術において2016年は節目の年に当たり、特に年初と年末に相次いだ有名人の死は、大きな意味を持っていると主張する識者も現れたのである。

 というのも、現代占星術における21世紀は「水瓶座の時代」と呼ばれる人類黄金期が始まる時期で、占星術に強い関心を寄せた心理学者のユングによれば、それは1997年の秋から始まるとされているのだ。つまり、去年はユングによる「水瓶座の時代」の始まりからちょうど20年という節目の年にあたっており、その意味でも有名人の死には何らかの意味があると考えるほうが自然であると、そういうことらしい。

 また、昨年に亡くなった有名人の多くは旧来の宗教や権威へ反抗したり、あるいは常識的な思考にとらわれず自由に発想や行動することで世界的な地位を築いたが、それらは水瓶座の精神を体現するものだった。つまり、これらの要素を重ねて考えれば「有名人たちの死は、水瓶座の時代が遠ざかっていること」の象徴となり、現代占星術においては単なる偶然と片付けられない重要さがあるという。

 では、来たるべき時代を象徴する人々の死によってユングの予言は外れたことになり、結局「水瓶座の時代」は到来しないことを意味するのだろうか?

 しかし、識者によれば現代占星術における解釈は異なり、むしろ「水瓶座の時代」が到来することはより確実になったとされ、有名人の死は「水瓶座の時代がもたらす影」として逆説的にその存在を証明する出来事と解釈されると言う。

 予言や占いにはよくあるソラリゼーション(明暗反転)解釈なのだが、あながち的外れとも言い難いところはある。

 さて、未来の行く末やいかに?

(了)

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