本ミステリー記事でも「鬼の骨」は何度か登場しているが、今回ご紹介する写真は非常に珍しいとされるカラーバージョンの写真である。
この「鬼の骨」は大分は別府の温泉地にあった施設「怪物館」(昭和38年頃閉館)にて展示されていたもので「鬼の骨」以外にも「河童のミイラ」「件(くだん)のミイラ」「鵺(ぬえ)のミイラ」「人魚のミイラ」など数点の妖怪ミイラが展示されていた(以上は山口敏太郎事務所が写真を保有し確認がとれているもの。他の妖怪ミイラについての存在は現在調査中である)。
ミイラの写真は記念品として絵葉書として怪物館で売られており、当時の妖怪ミイラ文化を知る貴重な資料となっている。
さて、今回のカラー写真であるが右側に日本語での解説、左側に英語での訳文があり、主に海外のお客さんに向けて発売されていたものと思われる。
写真は非常に鮮やかな発色で撮影されれておりモノクロバージョンよりもさらに細かいディティールがわかる。
特に骨の色については野外で展示されていたこともあり、温泉の煙で汚れていたり黄ばんでいると思われたが、綺麗な白色で非常に美しい。また、本写真には鬼の骨以外にも当時の別府温泉の姿が収められており、鮮やかな梅の花と緑豊かな山々が目を引く。
もっとも、着色加減から見てこの写真は後から色を塗られた可能性があり(例を出すと最近発売されたカラー版『ウルトラQ』のような色合いに酷似している)海外向けに着色されて発売された可能性がある。
また、新たな情報としては解説文に「地獄の鬼のグロテスクな骸骨を祀っている八幡地獄」との表記があり、この鬼が地獄の出身(?)であることがわかった。
山口敏太郎事務所は他にも展示されていたという怪物館のミイラ写真、および数点残されたカラー写真、怪物館の記憶がある方の証言をお待ちしている。
文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)