男のフェチが、足だの尻だの視覚と直結しているのに比べて、女の子のフェチは感覚や感触の方に近い上に要求が細かい。例えば筋肉フェチ。といってもアレコレあるようで。「ジムとかで作ったマッチョとかじゃなくて〜、工事現場とかの仕事で自然についた筋肉を拝むのが好きなの〜。あと、あの触り心地にキュン」
町田のキャバクラ『Z』の浅見真由香さん(仮名・26歳)。異常なほど鼻の性能が良いという、彼女のフェチは “ニオイ”。男性がつける香水の好みもウルサイが、本来お好みなのは、そういった人工香ではなくて体臭だそう。
「腋臭とかじゃないよ。その人本来が持ってる体のニオイの方。私の好きなニオイがする人が好きなの」
ちなみに彼女が好きな“体臭”とはどんなニオイなのかと言えば…。「湿ったような…グレープフルーツみたいな。といってもそれほどフレッシュなニオイじゃないけど。…ああ上手く言えない。でも、ひとつハッキリ言えるのは、健康な人の汗のニオイが残った感じに近いってこと」
ますます分からない。それでも、フェチ10年のキャリアで分かって来たことがある。それは人の体臭は耳カスの系統でも分かるという点。
「ちょっと汚い話でアレなんだけど(笑)。人の耳掃除するのが好きで、そのせいで分かって来たんだけど、私の好きな体臭の人は全員耳カスが湿ってるんだよねえ。で、好きじゃない人は割りとカサカサなんだ」
好きじゃない人なので耳掃除はしないが、嫌いなニオイがする人には敢えて、カサカサか尋ねてみているのだとか。どうなんだそれは?
身体のどこかが悪くなっている人には、特有のニオイもあるという。
「それまでと違うニオイがするようになるから分かる。どこが悪いかわかんないけど、肝臓だったり、胃だったり、腸炎だったり、内臓系だね」
とまあニオイに関して一家言ある彼女。嫌いなニオイの客に対してはそれなりだが、好きなニオイの客にはメロメロになってしまう。
「自分でもこればっかりはしょうがないっていうか、30人に一人くらいいるの。ドンピシャリなニオイが…」
そうなると、客の顔も仕事も性格も、一切無関係になってしまう。
「私の場合、もうニオイとセックスが割とイコールになっちゃってて、好きなニオイを嗅ぐとポワ〜っとして思考が麻痺しちゃう。お気に入りの体臭客とアフターなんかしちゃったら…ヤバイ(笑)」
初回で付いたフリー客で、おやっと思うと嗅がずにはいられない。
「必要以上にクンクンやっちゃうの。犬みたいに。耳の裏とか首筋とか、そのあたりをチェックしたくてチェックしたくて。その人が上手く指名客になってくれたらもう…挨拶代わりにクンクン。もう変な女扱いなんです。でもやめられないんです」
好きなニオイの男の場合、口のニオイまで好きだという。これまたどうかしているぞ。
「特にニンニクを食べた翌日のニオイが大好き。もう朦朧としちゃって猫にまたたび状態。でも口のニオイを嗅がせてくれっていうのもねえ。嗅がせる方も嫌じゃないですか」
しかし、やってしまうのだ彼女はソレを。
「いいなって思う人ほど、怖がっちゃって…。嫌なニオイの人ばっかり残っちゃう」
嗅がなきゃいいんじゃん。では済ませられないそう。
*写真は本文とは関係ありません