一般的に住宅でいうと、民間より公営の方が安いため、「公営霊園の方が安い」とのイメージになりがちですが、実際のところ、墓地価格は所在地や立地により、公営でも高いものは多々あります。いい例が、都内の一等地にある都立青山霊園で、とても庶民では手が届かないような価格設定になっています。
それでは、どちらに決めるかは、それぞれの特色を理解する必要があります。公営は都道府県や市町村など、地方自治体が設けているため、管理運営に安心感があるのは確かです。ただ、募集時期が決まっているため、募集期間内にしか申し込めず、競争倍率が高く、抽選になる場合もあります。また、利用にあたり、「墓の承継者がいる」「手元に遺骨がある」「該当墓地所在地に住所がある」などの制限があり、申し込みがしづらいのです。
一方、民営は利用にあたって、公営のような資格制限は少なく、お墓、墓石の大きさや形がある程度、自由に選べるメリットがあります。立地的にも、市街地にある場合が多く、広く明るく、公園のように整備されている霊園も多いのです。それでは、運営面ではどうでしょうか?
都内の某石材店によると、「民営霊園の運営に不安を感じる方も少なくないと思います。民営でも許可を各市区町村から得なければならず、霊園を運営するためには、公益性や複数の条件を満たす必要があるため、公営と大きな差が出ることはないようです」と話す。
公営、民営どちらがいいかは霊園によりけりで、購入希望者のニーズに合わせた方がいいということになるようです。
(山本 生道)