「桜花賞を指をくわえて見ていたくないんだ」。橋口師のこの言葉に熱い思いがこもっていた。先週のチューリップ賞で3着したオディールに続いて夢舞台の権利を確定させるため、ラベが上々の仕上がりだ。
やっぱり走る。そう思わせたのが前走のエルフィンSだった。デビューから2連勝の後、圧倒的1番人気に推された紅梅Sがまさかの10着大敗。エルフィンSは今後を占う意味で正念場だったが、直線は力強く末脚を伸ばし、ポルトフィーノの2着に踏ん張った。
しかも、あのレースは10kgマイナスの410kgとギリギリの馬体。「雪による順延で輸送を2度もしなくてはならなかった。それで減ったんだね。しかも、道中は馬場の荒れた内を走らされ、直線でも一瞬追えない場面があったほど。それで2着だから地力は十分示してくれた」
その後は順調に調整を積み重ね、減っていた馬体はかなり戻っている。ふっくら見せて、しかも伸びていた冬毛もだいぶ抜けて美しいシルエットが際立ってきた。
「素質は十分ある。何とか桜花賞へ駒を進めたい」
父のダンスインザダークは師に初のクラシックをもたらしてくれた、最も思い入れのある馬。意外と牝馬は走らないといわれるダンス産駒だけに、その不評も跳ね返したいところだろう。
【最終追いVTR】坂路で古馬1600万のローズプレステージと併せられた。中間地点で頭ひとつ抜け出し、ラスト1Fで仕掛けられるとさらに2馬身引き離してフィニッシュ。攻め駆けするとはいえ、脚色は余裕たっぷりで体調面は文句なしだ。