夏場を前にグングン調子を上げてきた。「ようやく本来の走りを見せるようになったね」と鎌田助手も目を細めた。
長くスランプが続いていた。昨夏の新潟記念で4着した後は大敗ばかりで、特に福島記念から3走は2ケタ着順。年齢からも限界説すらささやかれ始めたが、そこから立ち直ってくるのがサンデーサイレンス産駒の底力か。
「結果の出なかったころはずっと苦しがって走っていた。気持ちは前向きでも状態がいまひとつで体がついてこなかったんだと思う」と鎌田助手は振り返った。
だが、中山金杯の後に出たリフレッシュ放牧が復活のきっかけになった。前々走の新潟大賞典はクビ+クビ差の3着。強豪のそろった前走の金鯱賞も小差の4着に食い込んだ。
「直線は見せ場十分だったでしょ。その後も順調に調整できているから」
1週前追い切りは6月28日のDWコース。併せたツルマルヨカニセにわずか遅れたが、ゴール前で他厩舎の馬がジャマになったもの。6Fで80秒を切っており、状態は確実に上向いている。
「この夏はサマーシリーズを視野に入れている。初戦で波に乗りたいね」
この後は小倉記念→新潟記念と転戦予定。気になっていたハンデも57kgなら末脚が鈍ることはない。
【最終追いVTR】栗東DWコースで併せ馬。直線での追い出しに鋭い反応を見せ、一緒に仕掛けられた併走馬を2馬身突き放した。気合乗り、動きとも抜群で絶好調だ。