過去5年で馬単の万馬券が3回と荒れる重賞は今年もまた波乱に終わった。ヒロインを演じたのは、昨年の3着馬ヤマニンメルベイユだった。
6番人気と評価は低かったが、鞍上の柴山騎手は手応えを感じていたという。「前走(白富士S3着)で初めて乗って、いい競馬をしてくれたし、今週のケイコの動きも良かったからね。牝馬同士ならチャンスはあると思っていた」
ゲートを真っ先に飛び出し、いったんはハナに立ったが、途中でイクスキューズがくると、スッと控えて2番手に。直線を向くと早々と先頭へ躍り出た。さすがにゴール前は脚色があやしくなったが、マイネカンナの猛追を半馬身差しのいで、初重賞のゴールへ飛び込んだ。
「スタートも良かったし、折り合いもついていた。早め早めの競馬をしようと思っていたが、その通り理想的なレースができました」と会心の騎乗を振り返る柴山騎手。最後は2着馬に迫られたが、「外からきたら、またハミをかんでくれた。いい内容でした」と愛馬を称えた。
管理する栗田師にとっては、1999年の函館スプリントS(シンコウフォレスト)以来、久々の重賞制覇。「2番手から味な競馬をしたね。以前よりも強くなっているよ」デビュー3戦目、未勝利を勝ったばかりでローズS(4着)に挑戦させたほどの期待馬の本格化に目を細めていた。
気になる次走については「春の最大目標はヴィクトリアマイル(JpnI 東京芝1600m 5月18日)に置いている。その前に福島牝馬S(GIII 福島芝1800m 4月26日)をはさむかは未定」とトレーナー。奥手の血が花開いたメジロマックイーン産駒の今後に注目だ。