いい意味で安定感がある、悪い意味で勝ち味に遅い。ただ、ダービー(13着)の惨敗で陣営は吹っ切れた。
原点に戻ろう。2000mの札幌記念ではなく、ここを選んできたのはちょうど1年前…昨夏の北海道シリーズで愛馬が見せたパフォーマンス(函館2歳S2着)が陣営の心に色濃く残っているからに違いない。
上籠助手も「池添が言うには『ゲートは速いし、掛かるタイプでもないので千二は合っている』とのこと。何の心配もいらない」と、千二=ベストディスタンスを声高に強調する。
もちろん、仕上げにも抜かりはない。レース間隔は3カ月あいたが、「先週に本馬場でビッシリやって、馬もピリッとしてきた。ようやくスイッチが入った感じだね。今週やればもう大丈夫だと思うよ」と不安らしい不安は聞こえてこない。
“最強の1勝馬”。このありふれた表現が、褒め言葉ではないことくらい、陣営は承知している。「とにかく2勝目がほしい。何とかここで決めてほしい」悲壮な決意の下、ローレルゲレイロが善戦マン返上に燃える。
【最終追いVTR】札幌ダートコース(良)で一杯に追われ、5F68秒9を計時、併せたサウンドスピリット(1000万)に先着した。鞍上がゴーサインを出すと、ラスト1Fは11秒2とダートでは驚異的な数字をマーク。万全の仕上がりだ。