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著作権法改正の動き──そもそも著作権とは? 啓発フィルムで復習だ

 あなたは文化庁が著作権法改正に向けて動いていることをご存知だろうか? 著作物の無断使用について、以下の3つの場合なら認めましょうと法案がまとめられている。

 (1)著作物の利用が主目的でなく利用程度が軽微
 (2)適法な著作物利用の過程で合理的に必要な軽微なもの
 (3)著作物の表現を視聴することを目的としないもの

 漢字ばかりでわかりにくいが、要するにもっと柔軟に対応しましょう、ということ。たまたま映像にキャラクターが映りこんでいたり、社内でのプレゼンで使うくらいなら、別に許可を取らなくてもいいですよ、と法で認めようというのである。
 文化庁はこの改正案を来年の国会で提出しようとしている。これに対して権利者団体は規定が曖昧で、侵害を助長すると意見書を出している。
 著作権法はとても複雑で、条文を読んでもよくわからない。どんな権利が認められていて、どんな場合は侵害と言えるのだろうか。例えば文章の「引用」を「無断転載」と取り違えている人は少なくない。世間で発表された文章は無許可で引用していい。これは法で認められている。

 この著作権法をわかりやすく解説する啓発フィルムがある。それが『悟空の著作権入門』だ。企画は文化庁と著作権情報センター。製作は手塚プロダクションが行っている。手塚治虫のマンガを原作としたテレビアニメ『悟空の大冒険』をベースとした啓発フィルムだ。97年制作。
 天竺への旅を終えて帰ってきた孫悟空、猪八戒、沙悟浄たち。彼らは自分たちの冒険をマンガにして売ろうとしている。しかし、町へ出て手売りするが、一冊も売れない。それどころか、手にと取った子どもに「こんなのもう見たよ」とまで言われてしまう。売れていないのに。
 実は悟空の冒険を勝手にアニメにして流している悪い奴らがいたのだ。悟空たちのマンガが売れないのは著作権を侵害されていたからだった。彼らは放送主を探すため、宇宙へと旅立ち、惑星Xに向かう。そこでは無断大王が星を支配している。星は高度に発展をしており、高層ビルで埋め尽くされ、金塊が山ほど貯蔵されている。すべて無断大王が無断で他人の著作物を売りさばいた利益で作られたものだ。
 悟空たちは、「著作権法」が書かれた巻物で無断大王と戦って勝利する。その瞬間、星は緑溢れる惑星へと変わっていく。犯罪で豊かになったとしても、同時に大切なものを失っていってしまうのだ。

 無断大王がやったことは、改正案が通ったとしてもアウトである。しかし、無断大王の行いが改正案で許諾される程度かどうか審議する必要が出てくる。単純に他人の著作物を利用しているからアウトとはできなくなるかもしれない。反発した権利団体にはそんな懸念があるようだ。

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