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森繁和監督代行の形式昇格に秘められた中日の近未来像

 中日ドラゴンズが森繁和監督代行(61)の昇格を発表した(9月29日)。候補者とされた小笠原道大二軍監督(42)は来季もファームの指揮を執ることになった。その森新監督が会見で放ったコメントが意味シンである。
 「監督が代わる度にコーチが代わるようではダメ。先々を見ないと同じことの繰り返し。次の監督になるヤツを育てるということが今までの中日にはまったくなかった。これから誰をコーチに入れていくか、ガッツともそういう話はしている」
 ガッツとは、小笠原二軍監督のこと。コメントの内容からして、森新監督は自らを「次の若い監督への繋ぎ役」と言いたかったのだろうが、「小笠原二軍監督と話をしていく」ということは、「森−小笠原の継承」が前提とされているのだろう。
 「中日は変わらないということ。落合GM(博満=62)が仕切る体制のまま、今後もチーム編成が進められていくのでしょう」(ベテラン記者)

 谷繁元信監督が成績不振で休養となった際、「チームの戦力補強を託された者」として、落合GMの引責論も唱えられた。中日グループには“落合アレルギー”を持つ要人も少なくないとされ、「落合GMの影響下にない者が新監督に選ばれるのでは」との見方もされていたが、実際はそうではなかった。
 また、森新監督と落合GMの信頼関係は説明するまでもないだろう。
 「落合体制をこのまま押し通すのかどうか。反対派を鎮めるためにGM制をやめて、落合氏の肩書を編成部長に変えるなどの折衷案も考えられるが…」(前出・同)
 落合−森体制が再構築されたことで、気になるのは、ベテラン選手たちの処遇だ。球団は岩瀬仁紀投手(41)、荒木雅博内野手(39)、森野将彦内野手(38)と来季も契約を結ぶ旨を発表しているが、こんな見方もされている。
 「岩瀬たちの処遇については落合GM以外の球団首脳陣から出た情報なので、もう一度話し合うことになると思う」(前出・同)
 「最終決定ではない」と見る声に対し、反対の意見もある。
 「谷繁前監督の休養が発表されたのが8月12日、岩瀬たちの処遇について球団が彼らと話し合いの場を設けたのは、同月末。谷繁前監督を休養させた時点で中日は来季に向けて動いていたし、選手人事は落合GMに決定権がある。落合GMにこれまでのような独断決定権がないとしても、チーム功労者である彼らに花道を用意してやりたいと思う球団スタッフはたくさんいます」(球界関係者)
 荒木はこの時点で、通算2000安打まで残り44本だった。記録達成までサポートした直近の前例もあるだけに無下な対応はしないだろう。

 また、ベテランたちの処遇のカギを握るとされるのが、落合GMの後ろ楯でもある白井文吾オーナー(88)だ。同オーナーは国内FA権を取得した大島洋平(30)、平田良介(28)の両外野手の慰留について、一部メディアの質問を受け、「宣言残留を認める」と話していた。「宣言残留」とはFA権を行使し、他球団と交渉したうえでチームに残ることを許すというものだが、過去、中日はほとんどのFA選手にそれを許していない。「だったら、出て行け」の発想であり、それを認めるとするオーナー発言は「大島、平田を必要な戦力」と見ているのだろう。しかし、その発言が出た4日後の9月20日だった。白井オーナーは来季以降のチーム編成について、「目利きに期待する」とニュアンスを変えている。「目利き」とは、落合GMのことである。
 どの選手を残し、また、どんな選手を獲るのか、全ては落合GM次第ということか…。谷繁前監督の途中休養からの混乱を指して、中日はGM制をやめるとの見方も聞かれた。落合氏は肩書こそ変わるかもしれないが、今後も中日球団に大きな影響をもたらしていくようだ。

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