同企画の5日目に河西はスタッフに、「荷物を取りに帰る」と言い残して自宅へ帰ったまま、その日の残金と順位を競う中間発表の場に姿を見せなかった。また、6日目以降も戻らず、2度目の中間発表がある10日目を迎え、11日目に番組との話し合いを行ったが、河西はその場にも姿を現さず、所属事務所と番組が話し合った結果、河西のリタイアが決定したという。
河西のこのリタイアについて、ネット上を中心に非難の嵐だが、実は、AKB48のメンバーの中には、“リタイア”をきっかけに確固たる地位を築いたメンバーがいる。そのメンバーは現在、HKT48に所属する指原莉乃だ。
指原は2009年、AKB48の冠番組「週刊AKB」の企画で同グループのメンバーである板野友美、仁藤萌乃、そして今回、話題となっている河西智美の4人でバンジージャンプに挑戦するも一人だけ飛べずリタイア。さらにその後、「必ず飛ぶ」との宣言のもとリベンジを誓い、再び指原だけがバンジーを飛ぶ企画が行われるが、なんとここでも失敗。この時に秋元才加からは、「出来ないんだったら、リベンジしますとか簡単に言っちゃいけないと思う」と怒られている。ちなみに2回目のバンジー挑戦の時には、河西智美が仕事の合間に応援に駆け付けている。その後、指原は同番組に約3か月間呼ばれなくなったとのこと。しかし、この件がきっかけで、指原は“ヘタレキャラ”として注目を集め、やがて総選挙4位まで躍進。ある意味で、指原のサクセスストーリーは、この“リタイア”からはじまったとも言える。
「指原はある意味で注目を浴びたことをチャンスと感じ、本人のキャラクターもあるが、徹底的にヘタレキャラを演じ切った。ピンチをチャンスに変えましたね」(アイドルライター)
果たして今回、河西は指原のようにピンチをチャンスに変えることができるのか…。ただし、今回の河西の場合は、指原の状況との違いもある。まず、指原の件の時の2009年当時は、AKB48は世間的にはまだ影響のない存在であり、しかも番組自体が、AKB48のファンしか見ない身内の番組。あたたかいファンの中での出来事であった。しかし、今回の河西は“国民的アイドルグループ”としての評価を受け、さらにまったく関係のない共演者にも迷惑をかけてしまう状況となり、AKB48の内部の問題では収まらない状況。印象は非常に悪い。この状況で河西が、過去の指原のような逆転を演じるのはそう簡単ではないはずだ。
ただ、芸能界は注目されてなんぼの世界。AKB48について、「総選挙とかじゃんけん大会とかやってるアイドルでしょ」程度しか知らない一般人にも総選挙12位の“河西智美”の名前は知れ渡ったことは間違いない。今回の件を逆手にとって、“バックレキャラ”として活路を見出し、図太い神経を世間に見せつけるくらいでなければ、今後、芸能界で活躍するのは難しいとも言えるだろう。