さぞかし客と浮名も…と思いきや、好きになるのはいつも決まって黒服。
「表向き職場恋愛は禁止だけど、アタシの周囲なんてそんなカップルばっかりですよ。客上がりの彼氏は、仕事をやめろとか、アフターするなとか言うけど、黒服は同業者だから、逆にしっかりサポートしてくれて心強いもの」
やけに強気&ポジティブな発言には、自分を正当化したい気持ちが見え隠れ?
というのも彼女、黒服好きが高じ、これまでトラブルの連続だからである。
最初に付き合ったのはキャバクラ時代の黒服。経営者がとりわけおっかない筋の方々だったので、商品に手を出したペナルティとして、彼氏は100万円を支払わされた。
その100万円を提供したのはもちろん茉莉さん。しかし、そのまま彼とはジ・エンド。弱冠19歳の出来事だった。
脇が甘いのか、交際1か月程度で風紀がバレてしまうという茉莉さん、同様のトラブルで数名の黒服の彼氏を失い、200〜300万円ほどが罰金を徴収された。ホストに比べりゃ安いもの…と、ウソぶく彼女の姿が痛々しい。
「キャバは、女の子が商品としてシステム化されているから風紀もウルサイの。人間性まで否定されているみたいで窮屈。その点、高級店ってしっかり管理されているように見えるけど、高い店になればなるほど、女の子の自由度も高い。自己責任ってやつね」
自由を求めステップアップしていったわけだが、自己責任の代償は大きかった。
黒服の彼氏が自分の店をオープンする計画を持ち出し、彼女の“出資金400万円”を持って飛んだり、同棲するための部屋を探し、賃貸契約に行ったきり持参した120万円とともに戻らなかったり…。
黒服たちにとって彼女は、やっぱり商品、あるいは預金口座扱いのようだ。
中でも一番額が大きかったのが、ベンツ3台事件だろう。
「事件ってほどじゃない。ただのショッパイ話です(笑)」
それは、ちょうどテレビの取材時期と被っている。その番組では、「…ベンツ3台を所有」と紹介されたが、放映時には既に3台とも彼女の手元にはなかったそう。ついでに彼女、免許もない。
「彼氏がお店をやめて、外車のディーラーに転職したんです。最初は調子良かったんだけど、ノルマがキツイ時にお手伝いしてあげて、ベンツ3台を順次購入したんです」
といっても免許もない彼女が、3台も所有するには無理がある。だいたい駐車スペースがない。
「最初の1台は私が彼にそのままプレゼントしたんですけど。あとの2台は納車もされていないんです。同じ車種でも日本仕様は高いのですが、欧米仕様では、米国産の方が安いんだそうです。それで、一旦私にそれを売って、すぐに別のディーラーに新古車として卸せば、私のお金は丸々返って来るし、事によると差額で丸儲けなんて言われて。儲ける気はなかったけど、これで彼のノルマが達成できるならと…」
欧米仕様だろうが、日本仕様だろうが、新古車で売った値段が問題。差額で丸儲けといくわけもなく、税金・登録料・手数料とオマケもついて、締めて400万円の赤字。その上彼氏にプレゼントしたベンツはSLクラスで3台中最高値の1500万円。彼氏の丸儲けだ。
わずか1年の間に2000万円近い金をドブにポイだ。彼氏とはその後どうなった? 「そのベンツに女の子を乗せているのをある日目撃して…。問い詰めたら私と同業の六本木のクラブ嬢で…怒ったら『お前が浮気なんだよ!』と逆ギレされ、それっきり」
さすがに懲りたと思えば、現在の彼氏も黒服…学ぶことを知らないカリスマ嬢なのだ。
*写真は本文とは関係ありません