天才が新日プロの至宝奪取に燃えている。
27日の新日プロ大阪大会で1999年12月、天龍源一郎に敗れて以来、8年4カ月ぶりのIWGP王座返り咲きを狙う武藤。「チャレンジャーとしてオレに白羽の矢を立ててくれたことに感謝している。大阪ではいい試合をできるよう「一生懸命頑張る」と意気込んだ。
中邑とはシングル初対戦。2004年にタッグマッチで一度だけ対戦経験があるものの、情報はほぼ皆無に等しい。それでも「海外に行ったら知らないヤツばっかとやるし、情報がない相手ってのは得意分野だよ」と自信タップリ。そればかりか「全日本のリングでしか(防衛戦を)やんねぇかな」と、早くもベルト奪取後の青写真まで飛び出すほどの余裕ぶりだ。
「時にオレは冷たく、冷酷になるからな」。悪魔のような残酷な攻撃も辞さないという。
武藤は、先ごろ行われたチャンピオン・カーニバルで首を負傷している太陽ケアの首にドラゴンスクリュー。さらに小島の右ひじが悪いと見るや徹底して右腕を狙い、腕ひしぎ逆十字固めで破壊した。
それだけに「たとえば首が悪いってわかれば、首を攻めるし、ウイークポイントを発見したら徹底的にいっちゃうよ」。非情攻撃の集中砲火を浴びせるつもりだ。
王者の中邑といえば、昨年8月に行われたG1クライマックス準決勝の永田裕志戦で左肩を負傷し、欠場に追い込まれている。そんな古傷を武藤が黙って指をくわえてみているはずがない。「左腕を破壊しちゃうかもな」とその弱点に狙いを定めた。
「オレは今まで狙ったベルトは全部獲ってきている。ということは(挑戦が決まった時点で)あのベルトは狙われたってことだよ」とベルト奪取を高らかに宣言した武藤。運命のゴングまであと5日に迫った。