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「360度横浜ブルーに」東京五輪に向けてハマスタ2018年改修が完了【DeNA】

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横浜DeNAベイスターズ

 横浜DeNAベイスターズは3月1日、2018年のプロ野球シーズンに向けた改修工事の施工完了を発表。マスコミ向けの内覧会を開催した。

 会見に応じた岡村信悟球団社長は「朝は雨が降っていたのに、今は晴れた風景。地の力を感じる」とした上で、「このスタジアムを航空写真で見ると、パリの凱旋門や、ローマのコロッセオのように、街の中心になっている。次の40年につなげる新しいスタジアムにしたい」と球場、球団のさらなる進化を予告。さらに「座席が360度横浜ブルーとなった。ファンのみなさまと一体になり応援していただき五感でこのスタジアムを染めていきたい」とコメントした。

 今回の内覧会では、4つの変更点を発表した。

 まず、張り替えられたグラウンドの人工芝。今季からカナダ・フィールドターゲット社製の「フィールドターフクラシックHD」が導入された。これまでの人工芝と比べ、復元力が約12%増加するという。芝の厚さも100ミクロンから130ミクロンとしたことで、耐久性が向上。素材に良質のポリエチレンを用いることで厚みも増し、これまで以上のしなやかさを実現させた。

 岡村球団社長が話したように、この日の横浜は朝から嵐のような雨が降っていたが、芝に座ってもズボンに水がつかないくらい水捌けがされていたのには驚いた。球団関係者によると「選手からの要望をたくさん聞いた上で選んだ」そうで、プレーにも好影響を与えそうだ。

 2点目は、バックネット裏付近のみだった防球ネットが、エキサイティング・シートを含む内野席の全域に拡大。岡村球団社長は「いろいろな声があるのは承知しているが、安全、安心を重視した」と説明。ファンに理解を求めた。実際、ファンの増加に伴い女性・子ども客は増加。2020年の東京五輪で野球・ソフトボールの主会場にも選ばれたことで、国際スタジアムとしてより安全な野球観戦を実現するため設置に至ったという。

 3年前から進めてきた座席カラーの横浜ブルー化も完了した。8,402席の座席カラーが横浜ブルーで統一された。またカラー変更とともに内野エリアの座席は固定式から跳ね上げ式に変更され、外野レフト側スタンドはライト側と同様にカップホルダー付きの固定式座席に変更している。これでボックス席を除く全ての席の色が横浜ブルーになり、昭和から親しまれてきたオレンジの座席は消滅した。

 さらには、選手の「グラウンドにせり出し、試合との一体感があるベンチにしてもらいたい」という声を叶えるべく、ダグアウトの面積を1.6倍に拡大した。さらにフェンスに乗り出すことができるように、ハイチェアーを設置した。その分ファールゾーンは狭くなるが、声を張る選手の姿がより近くで見られることになりそうだ。

 2020年の東京五輪では、野球とソフトボールのメインスタジアムとしての使用が決定したことで、DeNAのコミュニティボールパーク構想が、一気に加速している。現在28,966席ある座席は、2020年までにライトウイング、レフトウイングを増築することで、35,000席前後まで増やす予定。工事はシーズンに影響が出ないよう最大限に配慮するという。

 かつて広島東洋カープに在籍した‘鉄人’衣笠祥雄氏は引退する年、最後に横浜スタジアムでプレーをした際「こんな綺麗な球場で試合ができて幸せだ」とコメントしていた。現在も衣笠氏はDeNAの試合をテレビで解説している。頻繁にスタジアムを訪れている衣笠氏が、あれから31年が経ち生まれ変わったハマスタを見て、どう思うのだろうか。

 「ハマスタは文化遺産になってもおかしくないと思うんですよ」。そう話す球団関係者の目の先には、ハマスタのグラウンドを40年間照らし続けている横浜のイニシャル「Y」がモチーフの照明塔がそびえ立っていた。

 「変わらずに進化する」「地に力がある」ハマスタだからこそ実現できる「コミュニティボールパーク」が世界にお披露目されるまであと2年だ。

取材・文 / どら増田
カメラマン / 萩原孝弘

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