まさに横綱相撲だった。単勝2.1倍の圧倒的な1番人気に推されたマルカシェンク。道中は後方からじっくり。4角を過ぎて鞍上のゴーサインが出ると、長い新潟外回りの直線を一気に突き抜けた。
「リザーブカードが早めに行ったので、動かざるを得なかった。交わしてから内へ逃げる素振りを見せるなど、若さをのぞかせる場面もあったけど、最後は力でねじ伏せてくれたね」と福永騎手。05年のサイドワインダー、昨年のカンパニーに続く関屋記念3勝目だけに、受け答えも余裕しゃくしゃく。
「2度も骨折した馬だけど、(以前所属していた瀬戸口厩舎では2冠を勝った)ネオユニヴァースと同じくらいの評価があったくらいだからね。これをきっかけに重賞戦線で頑張ってもらいたい」
一方、管理する河内師にとっては、05年の開業以来、これがうれしい重賞初勝利。「ほんまに長かったわ。2着が6回(アグネスアーク3回、ニシノマナムスメ2回、マルカシェンク1回)もあったから、きょうも何かにやられるんとちゃうかって、最後まで安心できんかった。でも、強い勝ち方をしてくれたし、完全復活といってええやろ。この勝利が厩舎のほかの馬にも刺激になってくれればいいね」と笑顔がこぼれた。
気になるシェンクの今後については「この後、休ませて、様子を見ながらやね。オーナーとも相談せんと」と明言はしなかったが、「秋の大目標はマイルCSに置きたい」とさらなる高みを目指す。
デビューから3連勝でデイリー杯2歳Sを制覇、ダービーでも4着した逸材が、再びGI戦線へ殴り込みをかける。