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中日・落合4年ぶりのリーグ優勝へ秘策

 阪神、巨人と激烈な優勝争いを演じている中日・落合博満監督(56)が、4年ぶりのリーグ優勝へ仰天秘策? 「10人目の味方作り」作戦を展開している。

 意表を突くのが落合監督のオレ流だが、これぞその見本だろう。親会社の中日新聞のコラム『読む野球 落合博満』で、審判擁護を展開したのだ。「経費削減 不測の事態も想定を」と見出しが付いた落合監督の記事の内容はこうだ。厳しい経済状態の世の中だから、球界も経費削減は必要だが、不足の事態を想定しての必要経費もある。審判の試合前日の移動、宿泊はその一つだという主張だ。
 現在、日本野球機構(NPB)と審判は来季の契約に関して、団交、事務折衝を繰り返している。その中で、NPB側が提案している経費削減策の一つが「試合前日の移動、宿泊の禁止」だ。落合監督はその情報をキャッチして、審判側に味方する論陣を張ったのだ。
 現場の監督からの擁護論だけに、審判たちにとっては、最高の援軍であり、素直に感謝しているだろう。そうなれば、人間は感情の動物だから、落合監督に対してえこひいきはできなくても、自然と不利な判定は少なくなるだろう。阪神、巨人との優勝争いが最後の最後まで続くことが必至な状況だけに、審判のジャッジのウエートは重くなる。そんな時にタイムリーな審判擁護のコラム記事だ。まさに落合マジックといえる。

 かつて「巨人戦には10人目の敵がいる」という言葉が流行したことがある。ヤクルト監督時代の野村克也氏(現楽天名誉監督)、中日監督時代の星野仙一氏(現阪神オーナー付きシニアディレクター)らが、審判の巨人びいきの判定に激怒してのトラブルが続出。そういう時代に野村氏が「10人目の敵」と口にしたことから、一気に流行語になったのだ。が、審判を敵対視すれば、ろくなことにならない。神経過敏になった審判は余計に微妙な判定をするようになってしまう。
 そんな審判を敵対視する野村、星野流と対極にあるのが落合流だ。「日頃から落合監督は試合前のメンバー交換の際などにもさりげなく、審判に対し『お前たちも大変だな』とか声をかけ、スキンシップを図っている。だから、審判たちの受けも良い」と球界関係者が明かす。そういう下地があっての審判擁護のコラムだけに、効果は倍増だろう。
 落合流スキンシップ作戦は、V9巨人時代のONで説の一つ『ONボール』に通じるものがある。当時の他球団のエースたちは、今でも「絶対にストライクの最高のボールを放ったのに、ONが見逃すとボールにされた。ONボールは間違いなくあった」と熱く語るほどだ。確かに、『ONボール』はあったのだろうが、それは、ONが審判の判定に文句一つ言わず、常に友好関係を築いていたからだ。審判とすれば、意識しなくてもONに悪い判定をしなくなるのは人情なるだろう。
 ONと違って、今回の落合流審判擁護には深謀遠慮が見え隠れするが、さて、4年ぶりのリーグ優勝への切り札になるか。今後のセ・リーグ三ドモエ戦の大きな見所にもなる。

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