公開練習では矢口哲雄トレーナーが見守る中、1分間のシャドーとサンドバッグへのパンチを披露した才賀。昨年、電撃的にK-1に復帰を宣言し、今回試合をする玖村とは3月の「K’FESTA.4 Day.2」日本武道館大会で一度試合が組まれていたが、自身の拳の負傷のために欠場。仕切り直しの一戦に向け調整を続けている最中だ。
練習を再開してまだ間がないということだが、「やっぱり先生(矢口哲雄トレーナー)の指導が凄くいいんで変わっていくのが分かりますね」と成長の手応えも掴めているという。「PURGE TOKYOに来て前と同じやったら意味がないんで、以前の自分との違いをドンドン見せられたらいいなと思います」と以前とは違う成長した姿を見せようと張り切っている様子。
また、「1年ぶりに試合が出来るようになって、自分の状況がちょっとずつ落ち着いてきたんで、今回試合が終わって体調が良かったら、月1とか2か月に1回とかのペースで試合をしたいなっていう気持ちはありますね」と試合へのモチベーションも高まっているほど、充実した日々を送っている。
こうして調整を進めている才賀だが、今回の試合に向けて対戦相手の玖村をそれほど研究しているわけでもない。「バランスが良くて何でもできる子っていうか、フェザー級やったら玖村くんも強いと言われてますもんね。フェザー級の激戦区の中にいる一人っていうのが、なんとなくそうなんやなっていうぐらいですかね」とその印象もふんわりしたもの。本人の中では相手云々よりも、試合は「自分との戦い」という認識があるようで、「相手っていうよりは昔の自分を乗り越えていくことですよね。昔のK-1に出ていた時の自分をドンドン越えていくために、新しいジムで新しい仲間と新しい自分を作っている最中ですかね」と己を磨くことに集中しているという。
「年齢的にもそうですけど、こっから自分を進化させる、こっから自分の見せ方を作っていかないとダメなんで、相手が云々というよりも自分との戦いというか、この試合で自分がどう変われるかなんですよ。僕はコンスタントに試合をやっていきたいと思っているし、今回の試合、次の試合、次の次の試合ってやっていって、自分の進化を見て分かってもらえるような形を作れたらいいなと思っています」と才賀。
現在のK-1は若い選手たちが台頭して、リングを盛り上げている。しかし、「強いから有名になれるわけじゃないと思っていて、一人の人として、ファイターとしていろんな見せ方を出来ないとダメやなと思っているんです。自分は父親として、年齢もアラサーのオッサンとしての見せ方をしっかり出来たらいいかなと思っていますね」と若い選手には出来ないリング上での自分の表現にこだわっていく。
(どら増田 / 写真©︎K-1)