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清宮緊急入院でも絶えない「開幕から使え」の声

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清宮幸太郎

 「清宮、緊急入院」――。3月13日、マツダスタジアムに到着した日本ハムナインの中に、黄金ルーキーの姿がない。記者団が異変に気づいたのとほぼ同時に、球団広報が「限局性腹膜炎」で清宮幸太郎(18)が緊急入院したことを発表した。

「DeNAとのオープン戦が行われた同11日のうちに、日ハムナインは広島に移動しています。その11日の夜に腹痛を訴え、明けて12日になっても容体が変わらず、清宮を東京に帰すことになりました。帯同させたトレーナーによると、しばらくは入院させ、経過を見て手術するかどうか判断する、と」(チーム関係者)

 早い話が 、盲腸である。手術となった場合、本格的な練習を再開させるまで1カ月ほどかかるという。手術した場合、 清宮の公式戦デビューは交流戦の始まる5月中旬となりそうだ。

 「ひょっとしたら、栗山(英樹=56)監督は救われたのでは…。どんな非難を浴びても、清宮を開幕戦から起用していくつもりでしたから」(前出・同)

 2月28日からの台湾ラミゴ戦では二塁打を2試合で 2本放ったが、オープン戦7試合は15 打数ノーヒット。試合またぎで 「5打席連続三振 」のオマケまでついている。それでも栗山監督が「使う」と決めたのは「実戦の中で鍛え上げていく」方針だからだが、「結果(ヒット)を求めすぎて、彼本来の豪快なスイングを 見失ってしまうのでは?」との懸念もささやかれていた 。

 「昨年末、今季から日ハムの野手総合コーチに就任した緒方(耕一=49)氏がソフトバンクの王(貞治=77 )会長と食事をしています。その席上でも王会長が清宮の育成方針を気にかけ、いろいろと質問していました」

 王会長、緒方コーチの極秘会食を知る関係者によれば、王会長も清宮は1年目から使い、実戦の中で育てていくべきだと考えていたそうだ。しかし、オープン戦での不振が長引くにつれ、栗山監督は「実践教育」の決心も揺らいでいたのではないだろうか。

 「実戦の中で育てていくということは、清宮の失敗で試合を落とす危険性もあります」(スポーツ紙記者)

 こんな情報も聞かれた。清宮のお人好しな性格についてである。

 「清宮はチーム本拠地である北海道の印象を聞かれ、食べ物がおいしいところと答えています。『魚介類が特に好き』とも話していましたが、際立って好きだということはないみたい。地元へのリップサービスというか、ヘンに気を遣ってそういう発言になったようです。彼なりに周囲を気にかけていた。 そういう気苦労もあったのでしょう」(プロ野球解説者)

 また、清宮は「教えにくい選手」でもあるようだ。バッターボックスに立って、バットの先をフラフラと揺らしながらタイミングを取る。ボールをギリギリまで引きつけて、並外れたスイングスピードでバットを振る。このスイングはメジャーリーグのパワーヒッターに多く見られるような 、独自のスタイルだ。コンパクトスイングでボールとバットを最短距離で当てる、日本の 教科書的な打撃スタイルと大きく異なるため、打撃担当コーチは的確なアドバイスがしにくいそうだ。

 「どんな一流バッターでも、歴代の打撃担当コーチから打撃開花のヒントをもらったり、アドバイスを受けています。清宮は高校時代からメジャーリーグ関連の書籍を読み、自分で今の打撃スタイルを作りました。どんな天才バッターでも独学では 一流にはなれません」(前出・プロ野球解説者)

 先のチーム関係者によれば、日ハム球団は清宮関連のグッズ収益に”大きな期待”を寄せていたという。開幕からイチ押し商品の選手を欠くようなことになれば、グッズ売り上げの見込額も下方修正しなければならない。

 栗山監督は体調不良を理由に清宮を外すことも許されるようになった。しかし、経営サイドが現場に「早く使え!」とプレッシャーをかけてくるかもしれない。清宮の体調不良は気苦労も影響しているようだが、胃が痛いのは栗山監督も同じようだ。

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