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古田氏、NHKで監督復帰発言の真偽

 古田敦也氏(44=元ヤクルト監督)が、5月31日のNHK昼の番組にゲスト出演。ファンからの「もう一度監督をやって欲しい」というハガキに対し、「楽しみにしてください」と明言。球界に波紋を呼んでいる。

 「古田はあんな明快な回答をしていいのか。もう受け入れ球団が決まっているということなのか?」。古田発言を聞いた球界OBは驚きを隠せなかった。そして、「ヤクルトに復帰するのか?」と続けたのは、5月26日にヤクルト・高田繁監督が電撃辞任したばかりだからだろう。タイミングがピタリと合っているからだ。

 が、その後のヤクルト球団の動きを見ると、古田氏の復帰の可能性は低い。高田監督の辞任の引き金の一つになった、打撃アドバイザーに就任の野村ID野球を信奉する伊勢孝夫氏が、来季は入閣する見通しになっているからだ。かつてのID野球の師弟関係にあった野村克也氏(現楽天名誉監督)と古田氏だが、現在は犬猿の仲。野村色の濃厚な伊勢打撃アドバイザーが来季入閣するのなら、古田氏のヤクルト監督復帰は消える。

 「古田の監督復帰発言の視界の先は、やはり楽天だろう」と、言い切る球界OBもいる。確かに、古田氏と楽天・三木谷浩史球団会長のホットラインは有名だ。古田氏本人も三木谷球団会長と親交があることを認めている。

 しかし、ここでも現在、解離性大動脈瘤の疑いで入院中の野村氏が絡んでくる。楽天と「名誉監督として3年契約」しているからだ。師弟から天敵状態になっている野村名誉監督がいる楽天に果たして、古田氏が行くのだろうか。ポスト野村が前広島監督のブラウン監督に決まった際に、「古田のヤツはワシのすぐ後に座るのを嫌ったんやろ。ワンクッション置いて、楽天の監督をやるつもりなんやろな」と、野村名誉監督は発言している。

 が、この時は「名誉監督」のポストを巡り、野村夫妻と楽天側は壮絶な綱引きを演じていた。「名誉監督に期限があるのはどういう意味や。おかしいやないか。ワシの口封じが狙いなのは見え見えやないか」と野村側が、条件闘争目的のクレームをつけたからだ。そのために一時、名誉監督案はご破算と言われたほど。最終的には、「年俸1億円の3年契約」で双方妥協したわけだが、これが楽天・古田監督のネックにならないのか。

 「古田が楽天の監督を引き受けるとしたら、野村名誉監督を外すか、それともいっさい口出ししないという一札を、球団側に要求するだろう。これまでの古田の計算高いやり口ならばね。ヤクルトの監督を引き受ける時にも、何億もかかる『Fプロジェクト』実現を条件にしたからね」。ヤクルト関係者はこう断言する。もし、そんなことにでもなれば、野村夫妻が黙っているワケがなく、泥沼の全面戦争が起こるだろう。

 そこで、第三の説が出てくる。「事あるごとに『もう一度、監督をやりたい』と言い出している古田が、NHKという最高の舞台を借りて、ファンに古田監督復帰待望論を起こさせようとした、単なるパフォーマンスじゃないのか」という見方だ。

 さて、古田氏の腹の内はどうなのか。「来季の監督人事は、今季の成績が見えだしてくるオールスターのころに煮詰まってくる」というのが球界の常識だけに、古田氏のオールスター前後までの言動を注視していれば、正解が見えてくるだろう。

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