鞍上の岩田騎手は開口一番、「弾けたね」とニッコリ。直線で前が壁になり、万事休すかと思われたが、強引に外に持ち出してからはモノが違った。畠山吉師も「エンジンがかかってからよく伸びた。血統的にダートが合っているし、ジョッキーもそういっていた」としてやったりの表情。今後は「ダートで距離を延ばしていく」とのことだ。
同日の芝1600m戦は2番人気のフサイチアソート(父トワイニング、母アーネストデザイア)が直線の競り合いを制してデビュー勝ちを飾った。勝ち時計は1分36秒3(重)。
「並んでからが良かった。返し馬のときからそんな感じだった」と武豊騎手は並外れた勝負根性を高く評価した。ただ、「一頭になるとフワッとしそう」とも。そのあたりが今後の課題となる。雨中(重)の決戦となった27日(土)の芝1400m戦(牝馬)は、最低11番人気のタケデンスキップ(父フサイチコンコルド、母モエ=美浦・小林常厩舎)が優勝。大番狂わせを演じた。勝ちタイムは1分26秒1。
道中は後方から3番手を進み、直線に向くと大外から強襲。1馬身突き抜けた。小林常師は、「道悪馬場で勝ったようなもの。この血統で新馬勝ちできるとは思わなかった」と苦笑い。今年2勝目の勝ち星に、感無量の様子だった。
一方、伊藤直騎手にとっても、勝利の味は格別だ。「気性的にカッカするので、先に行かせたらダメと思い後方から。最後までしっかり伸びてくれた」と話す笑顔が印象的だった。
距離はマイルぐらいまでは持つちそうなムード。今後は体(426kg)の成長が課題となる。