それが今回は問答無用の力勝負となる京都外回りの2200メートル。過去、ダイワスカーレット、アドマイヤグルーヴ、ファインモーションといった女傑が力で押し切った舞台だ。もちろん、松田博調教師の気持ちも同じ。
「秋華賞は道中でゴチャつく位置で、早めに外へ持ち出せなかった。今度は外回りだから前回のようなことはない」
3歳牝馬同士では初黒星となった前走の秋華賞。しかし、ダメージは皆無だ。それを象徴するかのようにレース翌週の土曜(10月31日)から攻め時計を叩き出した。疲れが抜け切るのに手間取った春当時に比べると、その回復ぶりはかなり早い。4日に行われた1週前追い切りはWコースで3頭併せを敢行し、5F69秒0、ラスト1F12秒5(馬なり)をマーク。シャープな伸び脚、黒光りする馬体とも相変わらず目立っている。
「トモが良くなって体もシャキッとしてきた。具合に関しては本当にいいよ」と指揮官も余裕の笑みを浮かべる。
十八番ともいえる舞台なら取りこぼす心配はない。春のように直線勝負にかけて外へ持ち出す。古馬相手のGIとなるが、何も怖いものはない。
「秋華賞前はすごくうるさかったけど、1度使っていい意味でガス抜きができた。今回は不安になるぐらいおとなしい。この気配ならいい結果を出してくれるやろ」
4つ目のGI制覇へ。再び、絶大な信頼をここで取り戻すはずだ。
【最終追いVTR】Wコースで6F85秒1→69秒5→54秒7→41秒9→11秒6。雨の中での追い切りとなったが、直線一杯に追われると、この馬らしい豪快な伸びを見せた。気合乗りも上々で変わりなく順調だ。