デビュー週は7戦してすべて着外。一方、父は16戦2勝、2着1回。貫録を見せた父に対し、功駿騎手は初レースでステッキを落とすハプニングがあるなど、プロの洗礼を受けた。そんな息子を心配してか、初日いきなり迎えた“親子競演レース”。後ろを振り返りながら功駿騎手の様子を気にしていた秀治騎手の姿が印象的だった。
「父を見て、物心ついたときからずっと騎手になりたいと思っていた」。小学6年生から夏休みを利用して北海道の乗馬クラブに泊まり込むなど、訓練に励んできた。地方競馬の教養センターでは、「基本を大事にやってきた」と話したが、初騎乗後は「やっぱり思い通りにはいかないですね」と実戦の厳しさを痛感していた。
「まだ乗っかってるだけだし、普段の仕事を見ていてもまだまだだね」と秀治騎手。その背中はずっと先にあるが、すでに大井競馬場のパドックには功駿騎手を応援する横断幕も。「大井の青いスピードスター」。いつかは、白地に青の星を散りばめた勝負服にちなむような名で呼ばれる日が来るよう、偉大なる父を目標に躍進を誓う。